京都アンチックフェアーの骨董市で洋物を見ていました。
和物や李朝が好きなんですが、夏場は洋物が涼しくて良いなと思いながら見
てましたら、女性が迷った末~7万円のコーヒカップを買ったんですね。
 
人が買うと良く見える。
手付を払ったような感じのそのコーヒカップを見ていたら、成程買うはずだとも
思いました。
そう言えばpadaも随分と以前に買ったコーヒカップがあります。
 
数点買ったうちの一つですが、今回、それを取り上げてみます。
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コーヒーカップと言っていいのかどうか?

 

30年近く前?良く行っていた骨董&ガラクタ屋に入ったら、この様な小型のコーヒ

カップがありました。

田舎の人間が持ち込むガラクタがメインの、この骨董屋には全然似合わないです。

何故かと聞いたら、知り合いが日本から売れ残りの着物やら中古の着物を

ヨーロッパに持ち込み、即売会を開催!

その帰りに、地元の骨董を買い込み日本に持ち帰るらしいです。

*今は着物は無茶安いです。

骨董市で見ますと、こんなに安いのかと驚きます。

親家片をしたときには、箪笥に無茶苦茶あり、リサイクルショップに来てもらったら品質

問わず店に持ち込んで一枚200円とか!どうせなら約立ってほしいと、市役所に持ち込

みしました。

ただ、その当時は腐っても鯛~まだそこそこの値段で売れる時代だった

みたいですね。

このカップの出所はイタリアからの仕入れになります。

当時は、見立てのぐい飲みを集めていて、ふとこのカップで酒を飲んでみたいと

いう気になりました。

 

偶には異色の器で飲んでみたい!

酒のみは道具をえらばず!その様な気に成ったんです。

 

骨董屋が言うには、これは美術館クラスの物なんて言うんです。

 

又見え見えの嘘を言いやがる!

イタリアの美術館クラスの名品が、日本に来る訳がないや!

そして田舎のガラクタ屋に明治の印判やら、羽釜の蓋の横に鎮座しているはず

が無い!

 

値段も良くわからん?相場がわからない何て思いながらつい買ってみました。

これは、型物で、型を作った後~手書きで彩色しているんです。

高台辺りを見ますと結構時代はあるように思いました。

 

気に成るのが、高台内部の王冠とNのマーク!

今はネットで情報を検索できるから良いですね。

昨日~彼方此方と探してみました。

 

迫力満点のコーヒカップです。

 

このレリーフが随分と飛び出ているんです。

調べました~この様な物を作ったのが、カポデイモンテのナポリ窯だそうです。

1700年代の中期~30年ほど焼かれ中止~カポデイモンテと言えるものは

現在殆どないそうです。

 

成程~これで分かった。

本物があれば~ナポリの博物館に納まるはずなんですね。

では、これは偽物かと言いますとそうではなさそうです。

 

ナポリ窯が中止に成った時~ジノリが型を買い取り、陶器を焼き、裏に王冠の

マークとナポリのNを入れたそうなんです。

このジノリは○×侯爵が1730年頃に作った窯なんですが、1900年頃に

イタリアの大手の陶磁会社と合併し~リチャードリノリという名窯になるんです。

さてネットで調べていて、現代のジノリと昔のジノリを比べているサイトがあり、そこ

からの借用画像です。(左:古い 右:現代)

 

*このサイトはアンチック専門のサイトですが、この左のカップをトレ―ドマークに使ってます

 

ジノリの中では、この様な昔の神話から来たような題材でレリーフにしているのを

カボデイモンテ シリーズと言うみたいです。

 

そして明らかな違いは、高台のマーク、古いタイプは王冠にNの文字だけ、これに

対して現代性は~何やら、かんやらの書き込みが多いです。

昔のカップは彫りは深く、色も濃い、今の物は薄っぺら~随分と違いますね。

著者が言うには、左側がジノリ時代の古い物で、右がリチャードジノリに成るそうです。

padaのジノリは、王冠のマークにNの文字のみ!

 

これは古いタイプだな?

ヤレヤレ~古いタイプで良かったよ!

彫りは深く、色も濃い~現代性とは一寸違う(汗)

益々~良いね!読み通り!

 

難点はぐい飲み失格、この様な物で酒を飲むと取っ手が取れてしまいそうで

、一度使って止めました。