引っ越ししてから、好きなインドネシアの布は箱に入ったまま(涙)
3LDKの家では、掛ける場所が無いんです。
つまり壁と言う壁は全て家具が並んでいるんですね。
そのうち整理してと思いながら5ヶ月が過ぎました。
これは、以前の家で撮った写真です。
スマトラで見つけたこの古布が生まれた時代は?
多分戦前か戦後間もなくの頃だと思います。
この時代はインドネシアにとっては重要な頃でした。
インドネシアが独立宣言したのは1945年で、その後、独立戦争が長く続き
国際機関で認められた独立は1949年でした。
戦前でしたら、ジャワ島からスマトラに輸出されたものであり、戦後でしたら
インドネシア製となります。
バテックとは何か?
一言で言えば、蝋染めだと言えばいいのかと思います。
布の上に蝋で絵をかいて、染料の入ったバケツにつける。
それを取り出し、蝋を落とすと、バテックの出来上がり!
ですが、それでは一色のみなので、多色にしたい場合は、染まった所に蝋をおいて、
染めたい所の蝋を落とします。
次にバケツに違う色を置き、ドブリとつければ2色になります。
上の布は3色ですから、3回繰り返しているんです。
赤は薄い赤と濃い赤がありますので、これは2回の染になります。
赤と緑が混じった所が色変わりしていますが~これもまた魅力の一つですね。
サインがありますが、これは工房銘かと?
手書きの場合でしたら、作者の手書きサインが入る事が多いです。
これはチャップと言われるスタンプで出来上がった布です。
絵付けの種類で言いますと。
1,バテックツーリス(手書き)
2.チャップ(スタンプ)
3.コンビナシ―(スタンプ&手書き)
に分類できますね。
印刷もあるではないかと言われますが、それは例外~何故ならば蝋を使ってない
ので既にバテックの条件から外れているからです。
鳥のくちばしの先に小穴があいてますが、古いバテックには、よくある傷です。
最初バテックの見方を覚えるためにこれは良さそうだと思うジャカルタの店に
行きました。
そこには、良いものは店に置いていなく家にあるが来ないかと言いますで、家に
行きました。
そしたら名品が沢山あり、色々教えていただきました。
その時には、バテックは蝋染め程度ぐらいの知識しかありませんでした。
手書きの蝋置きの最初には3か月かかる、良いものは一年がかりだなんて言います。
チャップはスタンプだから安いと思って聞いたら、一概にはそれは言えないと来ます。
手書きより高いチャップはいくらでもあるんです。
ここがオールドバテック(骨董)を見るポイント、難しさだったんですね。
さて~これがチャップ(スタンプ)を利用しての蝋付けです。
銅板で作ったスタンプに蝋をつけてて、布に押していくんです。
これで終わりではないんですよ!
表が終われば、裏にもチャップで押していかないと綺麗な模様にはなりませんね。
従ってチャップには二組(表・裏用)でワンセットになります。
何とて、どぼっと染料水につけるんですから。
これがチャップの難しさ~手書以上の熟練が必要で、力もいります。
これは男の仕事~手書きは女性の仕事です。
赤が二色と言いましたが、薄い赤と濃い赤があります。
チャップと思ってましたが、これは一寸違います?
天然染料の場合は濃い色を出すのには何度も同じ色を重ねます。
ですので、これは濃くしたい所だけ、多分手書きを加えているのではないかと
思うのですが?
この辺り、凄くあいまいです。