お酒大好き、骨董大好きとなると行きつくところは酒器収集です。
その中でも、直接口をつける器~ぐい飲みは超人気な物なんです。
所が、骨董のぐい飲みとなると、これを集めるのは至難の業~何故か?
ぐい飲みが登場するのは時代が新しくなってからなんです。
江戸も後期になると、アルコール度数も高くなって盃などを使いだしますが、この
時代でもまだぐい飲みは登場していませんです。
ですので、それより古いぐい飲みを探すとなると、煎茶碗の外れを探すように
なってきます。
padaも一時期ぐい飲みを、集めていた頃がありました。
これもその頃に集めた物です。
これ古染付と思い買いました。
何故染付か?
これこれ~この通り!
チャンと染付になってますよね。
所で縁が~ギザギザじゃないか!
これには訳があるんです。
その前に!
古染付と呼ばれる魅力的な焼き物があります。
時代は明末清初なので、けして古い焼き物ではありません。
陶をもって政を見ると言う諺がありますが、古染付は、その典型的な例なんです。
明末頃から国が荒れ景徳鎮官窯の衰退は激しく~職人たちは周辺の民窯を足掛
かりに自由方便な焼き物~言い換えれば、手抜きして適当に焼いたんです。
所が元を正せば高度な技術を持った職人たちですので、手を抜いたとしても駄品では
なく自由奔放なスピード感を持った焼き物やら、雑多な焼き物を大量に焼きました。
とにかく生活しなければならない!質を落として大量生産です。
勿論~清時代には官窯は立ち直り、それから又端正な清朝染付が焼かれます。
そして、日本にも輸入され、それを新渡と呼んだんです。
それ以前に日本に入ってきたものは古渡と呼び、その過度期に作られた焼物を古染付
と呼んだんです。
所が、このいい加減な焼物が茶人の間では超人気~きっちりした焼き物より
いい加減な方が話題にしやすいから?でしょうか。
さてこのぐい飲みのギザギザ~実は、これは傷ではありますが、窯傷と呼ばれる
もので古陶の世界では傷とは見ないんです。
つまり、窯から出すまでの傷は完成品と見ます。
これはデパートの商品で有ったら××です。
感覚が随分と違いますね。
そして古染付の場合は、これを虫食いと呼び見所とみなすんです。
これにより古染付=虫食いとなってきました。
どうしてこの様なものができるかと言いますと、明末~清初頃は国が乱れて陶器ど
ころではなくなりました。
何でもいいからと、陶器作り、手っ取り早い粗末な材料を集めて焼きました。
器の縁はどうしても釉薬が薄くかかります。そして密着度も低く気泡が入ります。
焼成後~そのような器を使っていると、その気泡が入った部分がポロポロ落ちていき
欠けます。
所が日本人は、これを虫食いと呼んで珍重し、見どころとしたんですね。
そして今では、立派な古染付の見所になっているんです。
ですので、padaは、これを古染付と思って買って使い悦に行ってました。
燗酒をつくって、トクトクと継ぎ~ちびりちびりと一人酒~これ最高!
ですがある日、ハタと気が付きました。
このギザギザを作ることはできるはず。
どうするか?
あくまでも推定ですが!
釉掛けの前に、ギザギザをつけたいと思う部分に小さな糸を張り付けるんです。
そして釉掛けをする。
それを乾かし、焼きます。
焼きだしたら、100度ぐらいで糸は焼けきり、空洞ができ、ここをポロリと上手にとれば~
虫食いの完成です(汗)
その証拠が、この写真の部分~ポロリと欠けた後の両端の部分が、一寸盛り
上がっていますよね。
これ障害物(糸)があるから盛り上がるのでは??
そう言いながらも!
古染も厚手と薄手があって、茶人好みは厚手の方~これは薄手だから、あまり興味は
ないはずと考えたら・・・やはり古染かなとも思ったり!
ああでもない~こうでもないと中々複雑な思い~素人骨董好きの限界ですね。




