インドネシアで何故、古布を集めだしたかなんですが、船便で日本に古陶磁器を
送りました。
なんと随分と割れているんです。
扱いが乱暴なんですね。
それで目を付けたのが、古布~母が洋裁のプロでした。でも田舎~新作の依頼
は滅多になく、修理が多かったんです。それで多くあったのが、修理用の端切れ
でした。
古いものですから、古布独特の匂いがします。それを嗅ぎながら育ったような
ものです。
母も匂いを嗅ぎながら仕訳けていたような記憶があるんですが、padaも匂いを
嗅ぐ習慣が出来てしまったんです。
イラクにつけば空港で独特の匂いがします。羊の肉の匂いのような感じです。
韓国の空港についたら、キムチ~ニンニクの匂いがプンプン~これ100年の恋
も冷めます。
シンガポール匂いは熱気の匂い~どの国にも、これが良いなと言う匂いはありません!
所が粗末な暮らしをしているインドネシア~服装から、気温から見てプンプン匂
うのかと思うでしようが?
これが匂わない!満員バスに乗っても匂いません!この原因はコーランの教えに
従って行う一日3回のマンデイ(インドネシア式水浴び)になるのではないかと思います。
そう思いながら、インドネシアの古布を匂ってみました。
そしたら一寸吃驚!
子供の時に嗅いだ~あの匂い~独特の古布の匂いと同じだったんです。
アレレ~布は同じなんだと、思ったものです。
その様な事から、布を集め始めました。
これは日本風に言えば絣なんです。
見ての通り~太い手紡ぎ糸で作られていますね。
ジャワ島からイリヤンジャーヤまで赤道を挟んんで、島が点々としてます。
今でこそインドネシアになってるんですが、戦前は、それぞれが独立した国に分
かれていたんです。
だいたいがオランダに統治されていたんですが、オランダは暴動を恐れて他民族間の
交流を禁止したんです。
それで独特の文化が発展して、それは布にも及び~部族独特の布が出来上
がったんです。
これがヨーロッパ辺りで大人気となり、インドネシア政府は、これで外貨獲得を
目指そうと制作を奨励しました。生産性を上げるため、糸は紡績糸~そして染料は
化学染料にしたんです。
そしたら全然人気が出なかった。
人は手紡ぎ糸~天然染料を求めていたからです。
これに気が付き、政府は伝統の復帰に手を付けました。
天然染料は戻りましたが手紡ぎ糸は戻らなかったそうです。
つまり手紡ぎ糸の古布は貴重だと言う事なんです。
今更、そんなめんどくさい事をやっているかと言う事なんですね。
それで、布が手紡ぎ糸で、できているかどうかを見るのが、大事なんです。
境目は1970年頃だそうです。
さて、この布は手紡ぎ糸の布なんです。
前の持ち主はロンボク島でコミュニテイを組んで、今できの布を生産している村の収
集品でした。
売り物ではない展示用の品です。
何故手に入ったかですが、padaの運転手の嘘つきサニーが、padaが日本に帰って
いる間に、古布を探しに行きました。
この時に収集品を見ていたんですね。
2000年頃の話ですが、タイバーツの切り下げでインドネシアもあっという間に超
インフレ~そして暴動が発生したんです。
この結果~ロンボク島には観光客が来なくなり、イスラム正月のラマダン明けの
祝い出来なくなりました。
それで布を買ってくれないかとの話が出ました。
これに半信半疑で乗ったわけです。
届いた布は、この様な物でした。
コリャ凄いと飛び上がりました(笑)
ですがスンバの布がなんでロンボクに有るかなんです。
実は、これは質入れされたものです。
何故か?
売れば良いじゃないかと思うのですが、そう簡単には行かないのが習慣に
従わなければならないド田舎の辛さですね。
布の生産地は、スンバ島~「イカット言えばスンバ~スンバと言えばイカット」と言
われるくらい世界で有名な所ですが、村の習慣に従えば、そう簡単に処分
できません!
従って、スンバから船に乗って、質入れに来るんです。
ここに3文字の字が書かれていますが、多分これが、質入れした人の印です。
線を引いているのは質流れになった事のしるしと思います。
質入れして、お金を借りるんですが、いったん質入れしたものを取りに来る人は
滅多に~まずいないみたいです。
日本だったら、期日を決めて質入れが1000円でしたら、出は1200円とかにしないと
質屋は潰れますが、ネシアは千円借りたら、千円返せば受け取れるみたいです。
家の物は売ってはならないというのがご先祖様の教え~質で流れるのは仕方が
無いと言う事なんですね?
拡大しますと、この様になります。
こうしますと手紡ぎ糸か、紡績糸かよくわかります。
紡績糸は均一で良く締まっていますが、手紡糸には、これは緩い~そして時間の経過
とともに緩んできます。
そうしますと布に捻じれが出てきますので、その欠点を見つければわかりやすいです。
此方は別の布、左端の真ん中あたりの赤い部分~これ経糸と横糸の織がミスって
ますね。
機械織では、これがありません。
布の世界も陶磁器と同じ~欠点も美点です(笑)



