バラバラに割れた花器~素人作りなんですが遺作なんです。
それは横で見ていた人、皆さん知ってます。
*本人が亡くなり素焼きの状態の物を誰かが言い出して釉薬掛けを行い焼き上げました。
これを窯から出しダンボールに詰める時に落として割ったんです。
落とした人は泣きそうな顔、皆さん黙ったままで破片を拾い出しました。
これを見ていたpadaは金継ぎで復元すると思わず口に出してしまいました。
ここまで割れたらダメやと皆さん言いますが、一度口に出した言葉は簡単には下げれま
せん。
まあ待て待てと~出来るかもしれないと強引に持ち帰ります。
立体パズルの様に陶片を引っ付けて、なんとか完了です。
ただ最後の部分が合いません!ここは無理やりあわせます(涙)
小さく割れたのを引っ付けていく間に徐々に角度が広がっていったようです。
さて問題は、この後はどうするかなんです。
このまま渡すか、それとも金継ぎをするか?
下手にするよりは、このままの方が良いとは思ったんですが、皆さんに言った手前
引くに引けないんです。
*皆さん、そんなことできるはずが無いと思っているはずなんですね。
ベテランが出来ないのに、若造に出来るはずが無い!??
思い切って金接ぎスタートです。
しかし金継ぎしようとしてるのに金扮が無い!お金も無い!
これしかない!
これは金粉に見えますが、真鍮の粉なんです。
これでも、無いよりましか?これでやってみます。
準備したのが、これだけ。
新漆と書いているのは、おそらくカシュウと思います。
これは釣竿の修理に使うタイプですね。
真鍮の粉と、新漆を等量出して混ぜ、カシューシンナーを一滴加えて塗料が
出来上がり。
真鍮は重たいのでカシューの中に沈み丁度いい感じになります。
後は傷に沿って塗るだけです。
そして時間をおいて、はみ出した塗料をナイフで削り取り~一日乾かして完成。
マア?接着剤で止めただけよりは一寸ましか?
でも、これが金継ぎではなく、真鍮継ぎと気がつく人は少ないと思いますよ(笑)
ところで、これはなんで花器なんでしょうか?
答えは↓
陶芸サークルに持って行き恐る恐る取り出します。
あまり歓迎されないようであれば、没にするつもりでしたが、良い!凄い!と声があがりました。
誰かがダンボールに梱包していた、筒を出してきました。
*すでに送ったのかと思ってたんですが、亡くなった人の49日が終わるまで待ってたそうです。
この様に円筒と組み合わせて初めて一輪挿しになるんです。
台の方は壊れたが、この筒だけでも持って行こうとしてたんですね。
作っている時に、珍しい形だと作者に言いますと、これ妻に頼まれた花器だと答えが返ってきました。
割った人もこの話を聞いて、わざわざ絵付けもしたのですが、さぞかし無念だった
と思います。
ですが、この蘇った姿を見て~この人が一番大喜びをしました。
これ金ではなく真鍮よと念を押しましたが、周りから金だ!金で行こうという声が
上がりました。
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49日が終わった後、奥さんと息子さんがサークルにやって来ましたので作品を詰めたダンボールを渡しました。
この割れた花器については~どうしてこうなったのか?いきさつを書き
添付しました。
後日メンバーの一人が、墓前に飾られていて~奥さんの一番のお気に入り、
花器の、いきさつを奥さんから聞いたと言う事を耳にしました。
良かった良かった!
花瓶の陶片を引っ付けている間に、この形が気に入って自分なりに作ってみました。
確かに花一輪入れるには丁度いい大きさです。







