裂ハンター:買い出し人に騙される(涙)
前回投稿しましたスンバ島のダイナミックな模様に引き付けられました。
何とか手に入れようとジャカルタで探しましたが、ジャカルタ作のスンバ島の布、迫力全然
ありません!
そこで考えた一手が、買い出し人に現地まで見に行かす事でした。
これが見事に失敗~絶対絶命に至るんです。
今回は、その部分の紹介を・・・
これはヤフーブログの過去記事を少し手直したものになります。
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Mr.padaへ
今回、私はスンバの古布を探しに行くと言ってMr.padaからRP500万を預かったのを使い込み横領しました。
誠にすみませんでした。
これについては埋め合わせを必ず行いますので会社と嫁には内緒にしていて
ください。
・・・ ・・・
・・・ ・・・
〇年〇月〇日 署名 S
この文書を英語及びインドネシア語で書き、運転手のS坊に署名させました。
この埋め合わせとは?
何でしょうか、話を進めていきます。
その前に。
以前話題にしたバンテンの古伊万里出土陶片の本です。
この本は炎博覧会の会場、九州陶磁博物館で手に入れたものです。
インドネシアの出張地が、このバンテンの隣だと言う事を聞いて、これも何かの縁だと思って、インドネシア行きを決断したんです。
この本を開けますと一枚の、この写真が出てきます。
この中に出てくる、鼻の下を長く伸ばしてギャルとニタニタ話してる男~先のS坊とそっくに見えるんですね(笑)
この本を見る度に運転手のS坊を思い出してきます。
*S坊本人かと疑ったりもするんですがソリャない、他人の空似ですよね。
彼は取引先の会社より品行方正と紹介されたそうで、padaがインドネシアに行った時には既に運転手として雇われていました。
S坊は楽天家で気が良いと言う良さもあるんですが、生まれつきなのか?
かなりの嘘つきなんです。
padaが当時住んでいた所は、ジャワ島のはずれのチレボンと言う田舎町ですが、ここでも当時は、インドネシアでは開けた方だとか?
この町にオーストリアとインドネシアの合資会社が有り、ここで機械を作って、インドネシアの港に売り込もうと言う現地調達・現地制作・現地収めと言う立派な計画のプロジェクトが始まりました。
最終的には、現地にメンテナス会社も作りクレーム一式~ここで処理なんて....
危ない危ない!こんなの逃げるが勝ちですよね。
とんずらを考えながら仕事をしなければならないのも辛い所があります。
この田舎町は信じられないような迷信も多く、その上に工場も適当に進出して来ていて
出稼ぎ者が集まってきてますので、そう言う意味では結構物騒な所なんです。
これから発展していくと言うのは掛け声ばかりで、町にはタクシーさえもありません。
この町でタクシーと言うのはオートバイタクシーの事で通常は溜まり場にたむろしていて、ここで客と値決めし話がまとまればヘルメットをかぶって後ろに乗ってスタートとなります。
オートバイは無茶飛ばしますね。
これで転倒したら一巻の終わりですから随分と危ないです。
もう一つベチャーと呼ぶ輪タクがあるんですがせいぜい2~3Km程度の移動です。
一番安くて便利なのは、乗り合いバスと言ってもボンゴーを改造した様な乗り合いバス、これが市内をグルグル回っているんです。
オートバイよりは危険性が少ないのでよく利用しました。
交通ルールがあってないようなところですから事故も多い、道端によく人が倒れているのを見たものです。
此処で日本人が生活するには、車は最低限の必要品、そして外国人はけして運転してはなりません。
現地の人が事故を起こした場合、最初は個人対個人ですが、次に親戚対親戚~
次に村対村に発展し村長さん同士が話し合って決める事も多いとか!
ここまでの組織動員は外国人には無理です。
*インドネシア人は通常は温厚なんですが、何かあれば此処まで凶暴になるのかと思うほど無茶をやります。
一寸横道にそれましたが、今日のテーマは、その運転手に騙されたと言う話です。
これはインドネシアで作られている織物の配置で、padaが住んでいたところは*の
チレゴンと言うと言う所です。
これ有名な絣だけの配置なんです。
縦線・横線そして縦横線の三種類ありますが、地方によって織方が頑固に守られているのが特徴なんです。
インドネシアは多民族国家で、民族ごとの特有な布を持っていて紬だけでもこれだけ
あり、生きた布の博物館なんて言われています。
さてどうしても一枚手にしたい布がスンバ島の首狩り族の布でした。
この布はインドネシアの象徴と言うべき布で、世界的に有名な布なんです。
これを探すんですが、まともな本物の古布はジャワ島ではなかなか手にはいりません!
padaがインドネシアに滞在中にS坊は嫁さんをもらいました。
色白の素直な性格の別嬪さん~S坊の口に乗って騙されたんでしょうか?
padaが古布を探していまして、骨董屋で買うよりは家庭の箪笥に横たわっている布を買った方がはるかに安く見つかるなんて思って嫁さんに話したところ話がトントン拍子に進み、嫁さんを中心にした買い出し人チームを作ることになりました。
そしてこれが結構な実績を上げることができたんです。
古布集めも段々とエスカレート~変わったものがほしくなってきます。
さて、このスンバの布を探していた時、丁度仕事に隙間が空いて2~3月程、日本に帰れることになりました。
その時、S坊が言うには、このチャンスを利用して布を探しにスンバ島まで行って持って帰るから、自分に投資しないかと言います。
男と男の約束、紳士協定にのっといて・・・コリャ怪しい!
この男のいい加減さはわかっていましたので随分考えました。
ですが、一寸大きな気になれたのは、インドネシア通貨が無茶安くなったんです。
1/5近くにネシアのお金が暴落しました。
そして国内品の値上がりはまだ始まってなく~お金を品物に変えるにはグッドタイミングです。
でどれぐらいお金がいるか?
坊やが言うにはRP500万~約6万円です。
通貨暴落前でしたら、30万近くになりやめますが、日本人にとっては、そうたいした額
ではないです。
ですが、この額は坊やの年収に匹敵するんです。
まず見返りは期待できないと思いながらも、もしかして思って賭けてみました。
そして見事に外れたんです。
何やらかんやら屁理屈をつけて~安物の布を数枚買ってきたんです。
コリャ許さんと、今までのお前の如何わしい行動をすべて嫁さんに言ってついでに
解雇すると言います。
①padaの仕事の付き合いだと嘘を言って町の姉ちゃんにチョッカイをだしている。
②忙しくて休みなどつき合せた時、嫁さんに土産物と言って渡したポケットマネーを
ちょろまかしてるだろ?
③嫁さんが買い出してきた布の値段を水増してpadaに言って私腹を肥やしてるな!
マダマダあるが 全部言う!
S坊、真っ青!
そして耳寄りな話があるので話を聞いてくれと言います。
スンバ島に行くつもりであったが、やはり現地に顔が効くような人と一緒でないと危険だと言うんです。
それでロンボク島にまで行ったと写真を見せます。
当時の写真~どこかにあるんですが、見つけれませんのでよく似た写真をネットで
探しました。
この様なモスリムの中年女性がいて、村人とコミュニティを作って観光客相手の現代の布を織って生活していると言います。
仕事は上手くいっていたんですが、インドネシアで暴動が発生~この結果観光客が島に来なくなって生活できず困っている。
おまけにイスラム正月(ダマダン明けの正月)を迎えなければいけないが、予算が無くこれ
が出来ない。
そこで、展示用に集めていた古布を買ってほしいと持ち掛けられたとか?
padaは新しい布は興味がないよと言いますと、実は、こんな布があると写真を見せます。
この写真をみて吃驚、ホンマ信じられませんでした。
何故ロンボク島に、この様なスンバの布があるのか?
この答簡単でした。
スンバ島から、一番近くの金持ちの町はロンボク島になるんです。
*地図に赤線を引いてますが、このルートでやってくるんです。
スンバワ島がありますが、ここはスンバよりもっと貧乏な島~ロンボク島の方が商売になります。
この島にスンバ人が布を持って船に乗りやって来ます。
そして布を担保にお金を借りるんですね。
面白いのは、この部分です。
日本で言えば質に入れる事なんですが、ちょっと違うのはお金を返しに来ても利子
は取りません!
それなら商売にならないじゃないかと言いますと、質入れした物を取りに来ると言う事は、まずないと言う事なんです。
最初から売ればいいじゃないかと言いますと、ご先祖様の物をお金に変えるのはタブーだ
そうで、絶対にしてはならないとか!
*インドネシア人~イスラムはやましい事や悪いことをする時には、必ず正当性を理由づける んですね。
殺人だってジハドと言えば許されるんですから不思議です。
この古布の話をする時に、この様な習慣の話を聞きました。
信じられないような話なんですが・・・
これ、後から現物を見てみて納得しました。
値札の代わりに、人名の紙きれをホッチキスで止めてるものがあるんです。
たぶん約束の期限までは質入れの持ち主の物なんでしようね。
これから質屋の話には嘘はないと思いました。
このコミュニティでは、この様な布は不売品で陳列室をつくって観光客用に展示しているんですが、この陳列品を売りたいと言ってるそうなんです。
コリャ良い!~期待が持てる!
それからS坊どうした?早く話せ!
相手には自分はジャワの骨董屋だが、これを引き取るには今は持ち合わせがない、帰って相談すると言って帰ってきたとか!
相手は謙虚なイスラム教徒集団なので信頼はできると言います。
信頼できないお前が言ってもな?と言いたいんですが唾を吞み込みます。
だったらまず10枚ほど話に乗って買ってみるかと思いまして連絡したら値段を
言ってきました。
振り込みは銀行口座~S坊はタッチできません(笑)
最も裏をまわして巧妙にすればできますが、金銭的にそこまでする値打ちは無いような?
バレたら全部嫁さんに言いあげる、これホンマに効きますね。
そして航空便で待望のスンバの本物のイカットが届きました。
コリャ凄い!
この続きは別途です。
今回はサニーがロンボク島で手に入れた古布がそれほど悪くないのも有ると言う事が
わかりました。
これをUPしたいと思います。
4点ほどのうち2点なんです。
見た時、コリャ日本の絣だと思ったくらいです。
広げたら、こんな感じ。
これ2枚の長い布をつなぎ合わせているんですね。
何故かと言いますと、ボデイテンションと言う原始的な織り方で織ってます。
この方法だと肩幅ぐらいの広さでしかできません。
絣の技術はインドからインドネシアに流れ、それから沖縄に、そして本土に流れていると言う説がありますが、これも見ますと、そうだ!そうだと言いたくなります。
そして、もう一つ~これをインドネシアからの目で見ると実に面白い!
インドネシアの布は赤やら黄色やら使って多色~ですが、これは儀式などの正装用の布で、通常は一色染の地味な色の布を使っていた、この様な記述が結構多くみられます。
ですが、その粗末な布は、どのような布かと探すと、これの現物が見つからないのです。
この様な布は着たきり雀で着て、着古したら女中などにやって、着潰してしまうのではないかと思うんです?
この布正体は何かよくわかりませんでしたが、ロンボクの布でネットで検索したい
たら出てきました。
ロンボク島のカパスと言う布みたいです。
そして売れるかどうかは別にしていい値段ですね。
一寸説明書きをコぺピしてみます。
バリ島やロンボク島にはカパスという綿の木があります。その木になる硬い殻の木の実の中にある綿を紡いで織ったのカパス棉カイン(布)です。戦後あたりのわりと薄手でありながらしっかりとしたコシとなんとも言えない風合いの布で、手紡ぎ手織りの濃い藍色に淡く美しいブルーのラインのロンボク島伝統のチェック布です。縦糸を腰にまわす原始的な織り機で織るため幅が限られ巾51×長さ178の二枚の布をまん中ではいでいます。両端と布のつなぎめは赤い糸で手縫いで仕上げてあります。戦後すぐの布ですがヨゴレやキズはなくとても状態が良く落ち着いた風合いの布です。ロンボク島でもこのような布は現在織られてなく出尽くしたのでとても貴重な布になりました。サイズ:巾102×長さ178
オオまさしくサニーの布、多分一番安物を買ったんでしょうが、日本では中々いいものでした。
青色の所全てが共通点で、そして状態が素晴らしく良いですね。
①ロンボク島伝統のチェック布 OK
②手紡ぎ手織りの濃い藍色に淡く美しいブルーのライン OK
③両端と布のつなぎめは赤い糸で手縫 OK
④原始的な織り機で織るため幅が限られ巾51 OK
ほとんど一致しましたですが、長さだけ一致しません!
サニーの布の長さは190Cmほどあって少し長めです。
さてこのカパスと言う綿の木ですが、これが凄くでかいんです。
ネットにありましたのでUPします。
高さは10m程あります。
日本でのイメージは綿の木と言えば2m程と思うんですがえらい違いです。
ネシアの綿はでかい、最初、これが綿だと聞いた時には嘘だと思いました。
一瞬ドキリ!
サニーの悪口を書いたので、怒ってきたのかと思いました。
良い所も少しは有ったと付け加えておきます。
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長年の疑問が、スンバにも買い出し人やら観光客が来ているので、そこで売れば
良いのにと思ったんですが、昨年何と無く理由が分かってきました。
あくまでも推定なんですが・・・次回はこの辺りにもふれて見ます。









