そろそろ古陶磁器の話に入りたいんですが、古裂ハンターの方が中途半端なので区切りの良い所まで進めたいと思います。
*前回の記事、インド更紗の続きになります。
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古裂ハンター奮闘記(掘り出し品)⑥
一枚のインド更紗を求めてジャワ島からスマトラに渡りました。
港から一番近くの町~ランプーンまで乗合バス(すし詰めで15人ほど)で一時間半
ジャングルを抜けていく~ジャワ島と違って交通量が少なく何故かオートバイがより少ない。
聞けば~道の両脇にピアノ線を張ってオートバイを転倒させ財布を奪って逃げる追い剥ぎがでるらしい。
⋆ただし、地元の人間には手出しをしない為、手前にウオッチマンがいて合図をするみたい。
インドネシア人の悪は自分たちの村ではせず、よそに行ってするような気まりがあるみたい。
心配そうにしているとバスは大丈夫だから安心しろと言う~来るんじゃなかった(涙)
強そうなヤングを二人連れているから、まあ良いか!
 
町で降ろしてもらい、ちょっと歩くと目指す感じの良い店がありました。
店主は、立派な布工場を持ちながら、趣味で古布の骨董商をやっているみたい。
 
ワオ~店に入って、目に飛び込んできたのが、この二枚の布!
いきなり度肝を抜かれました。
およそ布らしくないない長い布が、真っ白の漆喰の壁に二枚掛かっている。
まんでみると分厚い!
コリャ~インド更紗どころではない。
 
これ、なんだと言うと、スンバ島の布だといいます。
地図を出してきて此処だと言いいます。
しかし無茶遠い?~何故あるのと聞けば、知り合いがいるので送ってもらったと言います。
古布好き同士にも口コミがあるんだなと思いました。
 
吃驚したのは、これは飾りではなく、女性用の服なんですね。
そして左側の布は、特に特別な布~王妃様用とか!
この布の中央には貝で出来たドラゴンがいます。
足がありますから中国のドラゴン~インドのドラゴンは足が無いとか。
拡大↓
すごい迫力!
蠍も頑張っています。
ドラゴンの上にはワニ!
鳥がいたり亀がいたり、これ壁掛けではなく、実用品で女性用の晴れ着なんです。
ワニの両側の人は女性~頭をみればわかります。
右側の布がちょっと見えていますが、こちらは男性?わかりません!
長さ2m40Cm程の布ですが、ちょっと裏側を見てみます。
真ん中ぐらいで折ってみました。
この布は3分割されていて、真ん中が普通の織の絣で、両サイド浮織になってるんです。
真ん中は染めた糸で織って、両サイドを浮織にして、その上から色を染め込んでいます。
*しかし、この模様、生々しすぎてどぎつい、インドネシアの中でもここまで迫力のある布は他にありませ    ん!人間の首までもが布の中に出て来るんです。
この服をどのような人が、どのように着るのか、見てみたくなって、あの手この手で
探したんですが、ちょっと見つけれませんでした。
 
参考に近くの島の王様と王妃様の写真を↓
なるほど
バッチリと似合いそう。
*こちらの布の柄はおとなしい、これが普通で先ほどのスンバの布が特別にどぎついんですが、これが
   ヨーロッパでは大人気なんです。
島々の酋長は、自分専用の布を織るためにトップの技術を持った織り手を専属にします。その様な人は一生酋長用の布を織り続けるそうです。
 
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インドネシアは「生きた布の博物館」と言われています。
日本では陶磁器がお宝だったように、インドネシアでは布がお宝でした。
島々では結納は水牛やら山羊・馬などを送り、女性からは自分が織った布を送るんです。
日本でも「鶴の恩返し」の昔話があるように昔の布は、随分と貴重でしたね。
 
ジャワ島やスマトラの一部こそ更紗が有名ですが、島国では絣がほとんどです。
*布にしてから染めるのが更紗で、糸を染めてから織るのが絣なんですね。
 
住んでいた所がジャワ島なので更紗ばかり見ていましたが、上の布を見て触って!
頭の中は更紗から絣に瞬間移動~何とかスンバの布をもっと手に入れたいと思いました。
これが大変な事に!絶体絶命に至ります。
思い出すだけでも腹が立ちますが、20年前の話なので嫌な記憶は段々と忘れていきました。
次回に続く!