お金の価値とは何だろうか
金は文字通りなんにでもなる無限の可能性であると同時に憎たらしいほど有限で困り果てたものである
俺にとってのお金の価値とはなんだろう

こどおじには見栄も世間体も無ければ大義もない
その状態の人間はこの世界に解き放たれた一匹の獣
知恵の実を口にしなかったアダムである
自分が如何に恥ずべき全裸であるかを自覚出来ない代わりに楽園の居住権を得る
これがどれほど幸福なことであるかを自覚したのはここ最近の話である
かくいう自分もついこの間まではある程度の見栄や人目を気にしていた
特に理由もなく日々が辛く、折に触れて自己嫌悪に陥っていた
気にしなくったきっかけについてはおいおい語るとして








こどおじ29歳、何一つ気にしない私にとって金とは自分の人生をより自分らしい人生とするための道具である
こどおじは金の使い方は世俗の人と異なる
こどおじという身分に甘んじておきながら今更見栄を張るような愚かしいプライドは持たないし
ただ生きるために必要な全ては特に何もせずとも揃っているから金に命を握られているという訳でもない
何か大きな目標や目的があるわけでもないが、これは人に寄るだろう
収入に対し必要とされる支出が少ないのだから当然かもしれないが
世俗の人と比べてこどおじは金に対して冷めている
当たり前に人と同じ欲望を抱きながらその濃度が希薄と感じる
例えば給料日
世俗の人達は給料が入る前日、当日に金の使い道を決めて行動に入ったり、給料日までの節約生活で抑圧された欲望に悶々としている
こどおじは大して変わらない日々を生きている、なんなら給料明細をもらって給料日であることに気付くくらいである
賞与も同様でこどおじにとってまとまった金が入ることは大きな買い物をする理由にならない
ボーナス=何に使う?
という発想がない
ただまとまった金が入るだけである
自分でもなんともつまらん男だと思う
ではこどおじにとっては金の価値も同様に希薄なのだろうか?
そうではない
むしろ、誰よりも金に執着していると言っていい









こどおじにとって手にする金は全てお小遣いであるということが価値なのだ
手にした全部が自由に使える金ということに最も価値を見出すべきなのだ
それを積み重ねていけばその価値は足し算されていくのだ
つまり金を使うことより貯めることに価値を見出すのが自分の価値観である

金を使うことの尊さも分かる
世界は広く、この世に生まれたからには手の届く範囲だけでも見て知ってやってみなければもったいない
生涯忘れられない思い出になるのならそれ以上の金の使い道は無いだろう
それと同じくらい日々を生きる中で不安や悩みを極限まで希薄化することにはこれ以上ない意味がある
貯金もなく将来への不安や悩みが尽きない時期ももちろんこどおじにもあった
金が無いというのはそれはそれは大変苦しいものだった
金が無い苦しみを抑えるにはやはり金が必要なのだ
金は力である、金で解決出来ない事のほうが少ない
日々頭の中に居座り離れない問題も金があれば大半は片付くのだ
こどおじになって10年と少し
長い時間を掛けて貯金を重ねようやく大台を迎えた頃には大半の悩みが消えて無くなっていた
もちろん未だに将来に対する不安は残っているが(結婚とか)
今はあまり気にすることなく生きることが出来ている
この気楽さには代えようがない価値を感じている
そして心に平穏を持って生きると自分が本当にしたいことが見えてくる
自分はこの年になってやっと人間らしい人生を生きていると思っていたのだが
どうやら世間一般的に言う人間らしい生活というのはもっと過酷で楽しくなくて苦痛と苦労にまみれてなければいけないようなので
今、自分の生活のことは楽園と呼んでいる
世間一般の人には悪いが俺は楽園で生きさせてもらう
これからも変わらず我が意思の赴くまま生きていくつもりだ
そんな生き方の助けとなるお金の価値は計り知れないものだ