結論:
FX30で撮影した動画ファイル、XMLファイルから手ぶれ補正の設定値を完全に判別することは不可能!
🎥 手ぶれ補正メタデータ構造と解析結果まとめ(2025年11月時点)
🧩 1. メタデータの基本構造
FX30(およびFX3 / α7SIIIなどの同系統機)は、動画ファイル(MP4 / XAVC HS / XAVC Sなど)内部に **「Acquisition Metadata(撮影時のセンサー・レンズ情報)」**を XML 構造で格納している。
主な構造ブロックは以下の通り:
| テーブル名 | 内容 | |
|---|---|---|
| ImagerControlInformation | ISO、シャッター、ゲインなど撮像系統 | |
| LensControlInformation | 絞り値、焦点距離、AF動作など | |
| DistortionCorrection | 光学補正(歪みなど) | |
| Gyroscope | ジャイロデータ(角速度) | |
| Accelerometer | 加速度データ(並進運動) |
これらがそろっている場合、その動画ファイルは完全なアクイジションメタデータ付きファイルである。
🧭 2. 手ぶれ補正モードの記録内容
FX30の手ぶれ補正設定は撮影時に次の3段階がある:
| カメラ設定 | 内容 | 記録されるメタデータ |
|---|---|---|
| OFF | 電子手ぶれ補正もGyroも使わない | Gyroscope / Accelerometer テーブルなし |
| STANDARD(通常) | レンズ内ISのみ(ジャイロは常時記録) | Gyroscope / Accelerometer テーブルあり(enabled) |
| ACTIVE | 電子手ぶれ補正ON(クロップあり) | Gyroscope / Accelerometer テーブルあり(enabled)+内部パラメータ変化 |
👉 つまり、STANDARDとACTIVEの差は数値の補正パラメータ内に存在し、外部ソフトでは “enabled” として同一に扱われる。
🧠 3. 各ソフトウェアでの判定と限界
| ソフト | 確認可能な情報 | 備考 |
|---|---|---|
| Catalyst Browse(無償版) | 「Image Stabilization: enabled / disabled」の表示 +手ぶれ補正処理実行 | モードの区別は不可 |
| Catalyst Prepare(有償版) | 無償版と同様 | スタビライズ演算はGyroデータを使用するが、モード識別は同様に不可 |
| ExifTool(v13.4.1) | AcquisitionRecordChangeTableName を通じてGyroscope / Accelerometerの有無確認 |
スタビライズモード値(Standard/Active)は未デコード |
| DaVinci Resolve(20.2.2時点) | Acquisition Metadataの項目に image stabilizer(enabled/disabled) を表示することはあるようだが確実ではない。 | 詳細モード区別は不可 |
したがって、どのツールでも「enabled=STANDARDまたはACTIVE」までしか判定でない。
⚙️ 4. ExifToolでの確認方法
以下のコマンドで、ジャイロメタデータの存在を確認できる:
exiftool -G1 -a -s yourfile.MP4 | find "AcquisitionRecordChangeTableName"
出力例:
[XML] AcquisitionRecordChangeTableName: Gyroscope
[XML] AcquisitionRecordChangeTableName: Accelerometer
これが出力されれば、 Gyro付き(=手ぶれ補正enabled)撮影ファイルであることが確定する。
🔄 5. 録画中の切り替えについて
FX30では録画中でも「手ぶれ補正モード」を切り替えられるが、その際、内部的にはタイムコード/フレームカウントと紐づけてイベント記録されている。:
[XML] AcquisitionRecordChangeTableEventFrameCount: 0
[XML] AcquisitionRecordChangeTableEventStatus: start
このイベントログが、手ぶれ補正・露出・ズームなどの変更をタイムラインに沿って管理している。
ただし一般のツールではここまで解釈できず、Catalyst内部処理でのみ参照されている。
🧾 6. 現時点の結論
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手ぶれ補正メタデータは確実にMP4内に格納されている。
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有効/無効(enabled/disabled)は判定可能。
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Standard/Activeの区別はどのソフトでも不可能(Sony内部仕様)。
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Catalyst Browse/Prepare ともに“enabled”の同一判定を用いている。
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ExifToolではGyroscope/Accelerometerの存在確認が最も実用的。
🪶 7. 補足:今後の展望
ExifToolの作は現在もSony XMLタグの解析を継続中。
FX30・FX3系の 「Activeモード固有パラメータ」(例えば電子補正倍率など)が将来的にデコードされれば、Standard/Activeの自動判定が可能になると思われる。
現状は「タグ構造は取得できるが、値の意味が未公開」という段階。