プレッシャー | 株式会社 丸信 社長のブログ

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株式会社丸信 代表取締役 平木洋二のブログ
包装資材販売、シール・ラベルの印刷、紙器印刷加工業を営む株式会社丸信の社長のブログです。

今話題の中古車販売のB社。まさか会社ぐるみで顧客や保険会社を騙しまくっている訳ではあるまい。そんな会社が売上7000億も行くはずがなかろう。(そう信じたい)

 社長が

「メディアの常として、全社員の2%に満たない一部のBP(板金塗装)社員の過去の不祥事でも、世間の関心を集めるために、会社全体の組織ぐるみだと決めつけて報道しています」

と内部で発信したことが漏れてさらに批判されているが、案外真実はその程度なのではないか。ただ、不祥事に対する経営者の対応としては褒められたものではないので他山の石としたい。

 

同じ状況に置かれたら、自分ならどうするだろう?

こんなシュミレーションはとても大切だ。

 

1年間の報酬返上を表明されているが、、、この程度で乗り切れると思い込み、ぐずぐずしていると近々にマスコミに社長や幹部の個人の過去が次々とほじくり返され、さらに酷いことになるだろう。

 私なら顧問弁護士にすべてを打ち明けた上で、アドバイスの下、できるだけ早く会見を開き、謝罪した上で現時点で分かっていること、調査中のことを明らかにして、徹底的な調査を約束するしかあるまい。

 その上で過去の不正保険請求はすべて返金する。

 5万円の修理費なら保険料が上がるから本来自己資金で修理していたはずの個人が水増しにより保険を使って保険料が上がったと集団訴訟でも起こされたらたまらないが、個別に示談していくしかないだろう。実行した社員が刑事事件として詐欺罪や器物損壊罪などで訴追される可能性も大いにある。

 上場企業ではないから必ずしも辞任する必要はないが、辞任して身売りし、新たな経営陣で再出発しなければ今後の売上減少や人材の流出に歯止めがかからないだろう。買い叩かれるだろうが止むを得まい。

この状態から自力で失った信頼を取り戻すなど容易ではない。

 

客観的に、そして冷静に考えると自分ならこうするだろう。

ただリアルにこの事態に直面して実行できるかは自信がない。

失うものも大きすぎる。

 

サラリーマン時代、このB社同様に営業へのプレッシャーが強い会社に勤めていた。毎月25日(生保は業界的に25日前後で月締となる)が近づくと毎日のように上司から数字を詰められた。予算達成できなそうな前の土曜日は当然の如く出社し、土曜日に営業している代理店さんを回るのが常だった。私もかなり無理な「お願い営業」もしていた。退職者も多かったが、かつてはプレッシャー故の不正も横行していたと認めざるを得ない。(約30年前のことで不正と言っても法に触れる事でなく、顧客を騙す訳でもなく、強いて言うなら売上の為に顧客と組んで会社を欺く行為、、さらに現在はコンプライアンス重視のホワイト企業に生まれ変わっておられます)

 

生保は顧客に加入意思があっても、健康状態によっては加入できない。かつてはどの保険会社にも「スーパードクター」(ちょっと数値を丸めてくれる診査医)がいたと思う。

 同じ支社の先輩は前職で医療機器の知識があり、お客様の心電図に異常があるのを発見し、自分のものとすり替えていた。この先輩はさらに架空の保険契約をでっち上げ、1週間後にクーリングオフのハガキを自ら送ったりもしていた。いずれもバレたが、キツい叱責だけでお咎めなし。これくらい珍しくなかったのだろう。程度の差さえあれ、会社いや業界全体がこういう体質だった。営業からしたら、目の前に売上があるのに診査で落ちるなんて、どうしても避けたいことだった。

強すぎる会社からのプレッシャーが罪人を生み出してしまっていたのだ。

 保険の窓口さんみたいな業態が生まれ、必要性を感じていない顧客に無理やり保険を売るというスタイルから、必要性を感じた顧客にコンサルティングセールスを行うように変わってきたのは必然だと思う。

 

 私も営業マネージャー時代や経営者成りたての頃はこういう自身の経験からくる管理手法があったかもしれない。(あったな)

適度なプレッシャーが人を成長させることは身を持って体験した。

しかし今は営業にプレッシャーをかけることはほぼない。売上が悪いからと叱責することなど皆無だ。(叱責すら随分ない)

営業が強いプレッシャー受けると、不正とまではいかないが、お客様に必要のないものを買わせたり、ベストの購買を提案できないと思うからだ。

 同じ価値の商品や製品があれば、できるだけコストの低いものを提案すべきだし、価格が同じならできるだけ提供価値の高い方を提案すべきだ。

 

自分への反省と戒めを込めて、、経営者の仕事とは営業部門にプレッシャーをかけることでは断じてなくて、強いプレッシャーなしで売れるように仕組みを考えたり、製品やサービスを磨き続けることだと思う。

 

朝のオフィスにて