当農園のもっとも古い取引先のひとつである 『和味/なごみ』 さんが、銀座で店舗移転、そのオープニングレセプションに招待され、春のネギ植え (1回目の植え替え) が始まる直前に行ったのが、約5年前( 2019-04-05 下記、過去ブログ参照)。その後、コロナ禍突入で長らく行けずじまいだった。

で、先週末、やっと (下仁田ねぎのある季節に) 行ってきました。


谷中の店舗の時にはあったメニューや銀座の前店舗でやっていたランチ営業など庶民的な要素を排除し、大人の隠れ店舗のようにアップグレードした感じになってた。
こういった、メニューも値段もわからない時価の店 (そういえば取引先にけっこう多い) は、なかなか入りづらいけど、そこは取引先ということで堂々と入店し、普段味わうことのできない雰囲気を大いに楽しむことができた。(アルコールが得意だったらもっと楽しいんだろうな・・・、とは毎度思う)
 

 

絶品の焼き鳥や厳選された酒類、〆の鶏そば、デザートの炙り干柿などの食レポは、下仁田ねぎブログということで、割愛。

 

 

生産者ということで、下仁田葱の蒸し焼きと鶏すきを特別にいただきました。
画像は、下仁田ねぎを切り込む和味店主のTさん。
所作に無駄がなく、力みもない熟練の手さばきで、思わず魅入ってしまった。


考えてみれば、自分が帰農する前から、つまり20年以上前の、まだ下仁田ねぎがあまり知られてないころから、当農園の下仁田ねぎを切り続けているのだ。
親父のネギ、日照りの年のネギ、冷夏の年のネギ、自分が葱畑で大けがしてドクターヘリで運ばれた冬も、お歳暮繁忙期に風呂場で倒れた冬も、Tさんは当農園の下仁田ねぎを切り続けていたのだ。


そういうことを思って食べたら、味わいも更に奥深く感慨深い味になっていたのかな・・、と画像を見て、いまさらながら思った。

が、川上から川下の末端に食べに行くことの意味は、主観を捨てて客観で食べる、自分の仕事である葱を別の角度から見る・体験しておくことで、煮詰まったときなど打開するヒントやアイディアのもとになるだろうという考えがあるので、今回もいろいろ学びがあり、とても良い夜を過ごせた。


――とまあ、もっともらしく書きつらねたけれど、ざっくり言ってしまえば、銀座でおれの葱を美味しく食べられる幸せ、サイコー! ってことなのです。