下記は、文顯進会長が生まれる一年ちょっと前に捧げられた、文鮮明師の祈祷です。メシアは時空を超越した存在ではなく、人間なのですが、創造原理的なアダムの使命を果たし、またアダムの家庭の失敗を蕩減復帰するという、二つの使命を神様から与えられています。

 

それを成し遂げるために、文鮮明師は御自分がまるで堕落人間であるかのようにして祈ることがありましたから、下記のような祈祷文は、私達自身の道標のようなものでもあります。

 

原理講論で示された、創造、堕落、復帰というのは、変わらずに私達に当てはまり、祝福家庭は、復帰されたカインとして、その摂理の主人となるべき人達です。

 

原理講論には、サタン主権の世界から神主権の世界に復帰するという内容が出てきます。この主権とは政治的、世俗的な意味で理解されるべきではなく、霊的権威の意味で理解されるべきなのですが、祈祷の中で文鮮明師は、失われた神様の権威と人間を見つめる神様、そして人間の姿に関して祈っています。

 

神様は権威の源です。米国の独立の時に、世俗の王の主権に対抗し、神様の主権を認識する事から、基本的人権と自由が認められるようになったのですが、神様は権威の源です。しかし、神様は人間に与えた自由を侵害する事はできません。人間が自発的に自然屈服するようにしなければなりません。どれほど困難でしょうか?

 

文顯進会長が生まれた時、王のような特別な運勢を持っていると霊能者達が大騒ぎしたそうですが、神様の権威は、三大王権として、まず文鮮明師の家庭に現れなければなりません。神様は過去の王、父は現在の王、長子は未来の王として、永遠の時間の象徴として、定着しなければならず、文顯進会長が生まれてから30年以上経ってから、そのような三大王権の時代を迎えました。それは大きな出来事でした。

 

このような御旨は、文顯進会長が生まれる前から、ずっとあったものです。しかし、統一教会内の政治的で世俗的な情報と組織体系が人々を混乱させ、また、文鮮明師の下で90年代に急激な摂理的展開があり、そのお話に父子協助、三大王権、四大心情圏など耳慣れない言葉が出てきたことにより、私達は消化不良のようになったと思われます。

 

祈祷文を読むと、まるでそこに全てがあるような気がすることがあります。

 

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1968年1月7日の祈祷

 

お父様!お父様がお慕いになった本然の創造理想世界は、お父様の愛を中心として、真なる子女と真のなる家庭が楽しむことができ、すべての万物が和動することができ、幸福がにじみ出る所であることを知っております。しかし、堕落によって本然の世界、本郷の地が私達人類の前に望みとして残るようになったことを思います時、どうして痛嘆せずにおられるでしょうか?

 

堕落によってお父様を失い、本郷の地を失い、本然の真の父母を失い、本然の真なる理想的な家庭、理想的な氏族、理想的な国家、理想的な世界、理想的な天宙を、すべて失ってしまいました。お父様を中心とした権威の世界が、自由な環境でなされなければなりませんでしたが、堕落という悲しい運命にぶつかることのよって、人類はお父様と何の関係もなくなってしまい、理想とされたお父様の世界とは関係のない世界となってしまいました。

 

私達の主人であられるお父様は、主人となることができず、あなたの恩讐であるサタンの血統を受け継ぎ、サタンが主管する暗黒圏内に私達が引きずり降りてきたということ実を思います時、これがどれほど口惜しく、悔しいこと実であるかをもう一度私達は回顧しながら、この地球上から数多くの霊人達が留まっている霊界に至るまで、億千万代にわたり恩讐となったサタンを追放することが、お父様の願いであり、真なる人類の願いであったことを、この時間、私達は肝に銘じなければなりません。

 

お父様!サタンの権威と権勢の土台がどれほど残っているかを、生活の中で感じることができない私達でございます。時間、時間を送りながら、1日1日を過ごしながらも、サタンの権勢と権限が私達の生活圏内にどれほど浸透しており、私達の生活舞台にどれほど浸透しているかを、今まで感じることができなかった私達の信仰生活でありましたことを、お父様、思うものでございます。

 

汚されたものを清算せずには、お父様の前に到底出て行くことができないのが、天理原則であることを考えれば考えるほど、私達は涙の道の中に立って、お父様の前に泣き叫びながら、あなたの救いのみ手を願わなければならない、物悲しく哀れな立場にいることを、再び思うものでございます。

 

このような立場にある私達であることをよく知っておられるお父様!哀れみの心を広げて下さって、私達の行くべき道をもう一度守ってくださり、私達の周囲を清くして下さって、サタン圏内から私達を分別してくださいますことを、お父様、懇切にお願い申し上げます。

 

お父様!私達の体と心は神様と直接関係を結べません。サタンが支配することのできる罪悪の根が、いまだに残っていることを知っております。心で願う善を行うことができませんし、願わない悪の行為を楽しむ私達自身と、そのような生活圏内を逃れることができない私達自体を受け入れて下さいますことを、お父様、懇切にお願い申し上げます。

 

お父様!私達は生涯路程において、サタンと隔離されなければなりませんし、また復活路程においても、サタンと隔離されなければなりません。お父様と一体となって、お父様が願われる生活と生涯を送らなければ、天の民となることができないということ実を、私達ははっきり知りましたので、ここに集まったあなたの息子・娘達が、体と心全てを捧げ、新たな生活と新たな生涯を目指して走ることができるよう許諾してください。

 

この時間、もう一度お父様の前に決意することのできる群れとなれるよう許諾してくださいますことを懇切にお願い申し上げながら、すべてのみ言を真の父母のみ名によって懇切にお捧げ申し上げました。アーメン。