統一教会の方達は、文顯進会長に関して、とんでもない間違いを聞かされて、それを信じてしまった方達が多いですが、その間違いの一つが、文顯進会長のところに集まった人達は、高額の給料を得られるのが理由で、文顯進会長のところに集まった、という類の嘘です。2009年から2011年辺りによく聞こえてきました。

 

そんな話を熱と怒りを込めて教会員にしている教会のリーダー達の姿をビデオで見ながら、そんな嘘が効果を持ってしまうのが悲しく思われました。

 

当時、私はまだ西海岸に引っ越す前で、仕事で海外にいなければ、文鮮明師がイースト・ガーデンでお話しする時、必ずお話を直接聞いていました。行けばわかるように、イースト・ガーデンの訓読会会場は広い場所ではありませんが、文鮮明師が郭先生や文顯進会長の事を批判するようになってからも、逃げることはありませんでした。

 

ピーター金氏や朱東文氏の言うことを信じて、文顯進会長を追い詰めるように指示しているのも見ましたし、郭先生の家族に関して、地獄の牢屋に閉じ込められるかのように語るのも聞きました。

 

朝の3時か4時に訓読会場に行き、文鮮明師がお話しするのを逃さないような人が、この世でいくら給料がもらえるかなど、優先するはずがなく、給料のために地獄に行く事を選ぶなど、あり得ない事でしたから、統一教会のリーダー達が、私達、文顯進会長を支持する人達に関して話していたことは、ひどい侮辱でした。

 

その頃の訓読会で、文鮮明師は「昨晩は目を閉じればサタンどもが出てくるので、一睡もできなかった」と言われた事がありましたが、統一教会の中で悪霊達が踊っているのではないかと思えるような状況でした。

 

私は、2004年頃から2009年の秋まで、文顯進会長と会う機会が無く、2009年の秋になって初めて、文顯進会長から、20人くらいのビジネス関係の人たちと共に、何が起きているのかを聞きました。そして、何を信じ、どの道を選ぶのかは、自分で決めるように言われました。ちょうど、「郭牧師はサタン、顯進ニムは堕落したアダム」とする講義のツアーが米国統一教会で始まった頃でしたが、私の文顯進会長に対する信頼は変わりませんでした。

 

そして2010年の1月1日、私はケニアで新年を迎えるために、一人の米国人と共にナイロビに行きました。文顯進会長がケニアで行事をすることを考えていた頃で、その準備でした。

 

私はまず、その国の若者達に、神様の下の一家族というビジョンが与えたインパクトを、若者達に接しながら感じることになりました。もちろん、統一教会と関係の無い若者達です。そして、ケニアの富豪で、大統領や首相を直接説得できる方が、「ケニアの大統領選挙により、内戦が起きないようにするために、文顯進会長がケニアで行事をする事が必須だ」という話を聞きました。

 

この意味は、ケニアの事を知らないとピンと来ないかも知れませんが、2007年の大統領選挙の後、選挙結果を巡って部族対立が起き、国連が介入しなければならない内乱が起き、多くの人が殺されたり、住む場所を失ったりしました。キリスト教教会で人が閉じ込められたまま焼き殺される事件も起きました。そのケニアで文顯進会長が2008年に行事をして、神様の下の一家族というビジョンを伝えました。そのインパクトを人々は見たのです。

 

富豪の方の家から戻る間、危険な場所も通過しました。「車から外国人が引きずり出されたら助けられないから、窓を閉めてロックをしろ」とも言われました。スラム街の様子、2007年の内乱の様子を、ホテルに戻ってから調べました。次の大統領選挙が内戦に拡大する可能性と、その意味するところは理解できました。

 

その夜、私は「自分は何のために生きているのか」と、自分に尋ねることになりました。ケニアでの行事に賛同することは、統一教会からは「地獄行き」を宣告されるようなものでした。しかし、自分が天国に行きたいから、目の前で殺されようとする人たちのために働く事をあきらめる、そんな事ができるでしょうか?そんな人を神様がサタンの前で認める事ができるでしょうか?名誉でも地位でもお金でもなく、自分が天国に行くとか行かないとかいうことでもなく、神様の願いはどこにあるのかという真剣な問いでした。

 

文鮮明師が息子である文顯進会長を疑い否定するようになったのは、統一教会という組織化された宗教団体の中で、歪んだ情報と意見がはびこったからです。その統一教会内部のリーダー達の作り出した嘘とその宗教団体の仕組みに従うのか、それとも、その制度化された宗教団体の壁を超えて、神様の下の一家族というビジョンを本当に実践しようとするのか、それが問いかけられたことでした。

 

そんな私たちに対して、高額の給料を得られるのが理由で、文顯進会長のところに集まった、という話が、統一教会では、説教台から教会員に伝えられました。

 

2010年の末、文顯進会長はケニア大統領、首相、閣僚がほぼ全員出席する行事をし、次の大統領選挙は平和が維持されるものになりました。

 

日本のように単一民族で宗教性が強くない場所では、神様の下の一家族というビジョンの力を、想像できないかもしれませんが、民族の対立、宗教の対立、国の対立、というのは、とても根深く大きなものです。

 

それを解決するのは、物質的援助ではありません。西洋からの物質的援助には、西洋の歪んだ進歩的思想がくっついています。それを、アフリカのような伝統的社会では拒否する動きが出ています。文鮮明師と文顯進会長が伝えたメッセージは、本当に世界を導くメッセージであり、そのメッセージと、そのメッセージを伝えるための霊的基盤を私たちは守ろうとしたのです。

 

統一教会の方達が、嘘と偽りに惑わされ続けるのではなく、真実と真理に目と耳を向けて下さるために、祈り続けています。