温故知新? | Pacific231のブログ -under construction-

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O, Mensch! Gib Acht! Was spricht die tiefe Mitternacht?


私の手元にマルク・ラフォレの「ショパン・リサイタル」なるCDがある。
彼は1985年、第11回ショパン・コンクールの2位である。NHKでこのコンクールの特集番組を見て、おっ、1位より2位のほうがいいじゃん、などと思っていたところ、数年後にとあるレコード店でこのCDを見つけ、何となく買ってみたのだ。



収録曲はバラード第1番、スケルツォ第2番などのほかは大半がマズルカで、マズルカ選集と言っていいものであった。バラードもスケルツォもよかったが、このマズルカが絶品だった。なんでこの人が1位じゃないの? などと思ったものだ。このコンクールで彼がマズルカ賞やオーディエンス賞を受賞していたことを知ったのはずっと後年である。

ちなみにこの年の1位は例のブーニンで、3位がヤブウォンスキ(全然知らない)、4位が小山実稚恵、そして何と5位がジャン=マルク・ルイサダであった。かようにコンクールの順位などというものはアテにならないものだ(当時のブーニン人気よ今何処)。

さてこのラフォレのマズルカ。その自然なリズムと落ち着いた運び、幾分骨太な、しかし温かみのある響きを、どこかで聴いたような気がしていた。ルービンシュタインが確かこんな感じじゃなかったかな、と思い当たったのは、もう聴かなくなったLPの記憶からである。
のちに、ラフォレがルービンシュタインのもとで研鑽を積んでいたことを知り、ああやっぱり!と軽い驚きとともに納得したものだ。

     Frédéric Chopin: 4 Mazurkas Op.24/Marc Laforet (1986)

このラフォレのショパン、得難い逸品だが、抜粋盤では私の性格からして(w)当然飽き足らなくなる。

というわけで現在愛聴しているのは師とも言えるルービンシュタインの全集である。いささか古い録音だが、温故知新?ということになるのかな。

 ショパン: マズルカ集<全51曲>/アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)

   [2CD / RCA BVCC-37673]

  Frédéric Chopin: Mazurkas / Arthur Rubinstein (piano)

番号なしの「マズルカ」も数曲あるので厳密には全集とは言えないが、通常はこの51曲版で十分だろう。

1965年12月27-30日、66年1月3日、ニューヨーク、ウェブスター・ホールでの収録。音の状態は悪くない。少なくともこれより2年ほど前にローマで録音された「ワルツ集」(14曲版)よりよほどいい。どちらもノーマルCDだが、SHM-CDとかBlu-Spec CDだともっといい音なのだろうか。

演奏については語りつくされているのでパス。個人的には十分満足している、とだけ。
実のところ今更ながらルービンシュタインのショパンにハマっていて、ワルツはもちろんのことバラードやらスケルツォやら聴き倒している。