雪が消えて野山が素顔を見せると、今年の冬も長かったなと改めて思う。
フレデリック・ディーリアスの「春初めてのカッコウを聞いて」(On Hearing the First Cuckoo in Spring)。
「小管弦楽のための2つの小品 RT.vi/19」の第1曲である。
(参考音源:Neville Marriner/Academy of St.Martin-in-the-Fields)
当ブログの二つ目の記事「下降四度の心象風景」( )でも少しだけ触れているが、クラリネットによる下降短三度のカッコウが繰り返し聴かれる。
そこにあるのは春の喜びではなく、メランコリックな寂しさだ。春の田園風景の中に一人いるときにふと感じる、安らぎとは裏腹な孤独感とでもいうのだろうか。
私の愛聴盤はこちら。
![Delius-Barbirolli](https://stat.ameba.jp/user_images/20140405/12/pacific231/55/94/j/o0500050012898647226.jpg?caw=800)
ディーリアス管弦楽曲集
ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団
この1枚、選曲・演奏ともに抜群である。68年の録音だが音は悪くない。むしろ鮮明な、生々しい音より却っていいかもしれない。
収録曲は次のとおり。
・幻想曲『夏の庭園で』
・歌劇『ハッサン』第1幕より間奏曲とセレナード
・夜明け前の歌
・歌劇『コアンガ』より『ラ・カリンダ』
・小管弦楽のための2つの小品
第1曲『春初めてのカッコウを聞いて』
第2曲『河の上の夏の夜』
・去りゆくつばめ
私はLPとCD両方持っているが、なんと最近SACD化までされているらしい(ステマではありませんw)。
分かる人には分かるといった種類の、道端の草花のような音楽だが、耳と感性に自信のある人は持っていて損はない。
絶対のおススメ盤である。(ステマじゃありませんってばw)