Truth vol.26 | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。


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。。。。。


「まぁ、よかったじゃない?」

「ん、まぁ……」


居酒屋。

この前二宮に連れてこられた、二宮たち大学生の行きつけの居酒屋。


『謝礼』と称して俺は何回か二宮に連れてこられてた。


まぁ俺も楽しいし、ここは料理も酒もおいしいし、さすが学生向けの居酒屋なのかリーズナブルだし。

二宮のことだからどんな高額な『お礼』を請求されるかと思ってたからそこも安心だし。



「いやー、とにかく俺のおかげだよね!」


それ言うの何回目だ?ってくらい上機嫌で二宮がグラスを空ける。


「はいはい。ニノミヤサマのおかげです。ありがとうございました」


それに俺はおおげさにいつも頭を下げる。



「まぁ?まーくんもあれから楽しそうだし、幸せそうだよ?」

「そ、そっか」


さすがにあれから大学には行ってないから、雅紀の学内での様子はわからないから改めて聞くと照れくさい。


「でもねぇ……」

それだけ言って二宮が口をつぐむ。


「なに?そこで止めんなよ、気になるだろ」

「んー……まーくんがさぁ」


ちょっと眉根を寄せながら雅紀の名前を出すから余計に気になる。


「だからなんだよ。先話せや」

「んー……まーくん、ちょっと最近心配なんだよねぇ」

「なっ、なにが!?」

「まーくんさぁ、櫻井くんと付き合うようになってからますますキレイになっちゃってさぁ」

「………………は?」

「だからー、幸せ光線っての?幸せオーラっての?もう櫻井くんに愛されてますーってのが体中から溢れ出ててめっちゃ輝いてんだよねー」

「あ、ああそう……」


そう言われて照れくさいやら恥ずかしいやら、なんて言っていいのかわからない。



「最近学校内でもますます目立っててさー。
もうまーくん歩くところ心臓撃ち抜かれてるヤツやら目がハートで固まってるヤツらがうじゃうじゃと……」

「そ、そんなに?」


それはそれで心配なんだけど。


「そうだよ。でもまーくんはまったく気づいてなくていつも通り満面な笑顔をみんなに振りまいてるからバッタバッタ倒れるヤツ続出」


まるで自分の武勇伝のようにドヤ顔で語る二宮。


マジメに言ってんのか、冗談で言ってんのか判断が付かないんだけど……


「でも櫻井くんって手が早そうに見えたけどやっぱりなんだね。そりゃ身も心も愛されちゃったらまーくんもあーなるか」

「え?」

「だから、まーくんともう行くとこまで行っちゃってんでしょ?まーくん、身も心も捧げちゃったんでしょ?そーじゃないとあんなに体中から幸せオーラ出な、」

「まだなんもしてねーよ!」

「………………え?」

「まだキスすらしてねーよ!」

「………………」


俺の発言に二宮が固まる。

「え」の口のまま固まってる。



お互いの想いを告げて、晴れてお付き合いができるようになったあの日から10日ほど経ってる。

なんなら翌日も有給で休みだったから、そのまま、本来なら俺の家とか、いわゆるそういうホテルとか、気持ちだけならなだれ込みそうな雰囲気だったんだけど。


でも雅紀は次の日も学校がある。

なにより、大野さんがいるのに外泊なんてもってのほか。

あの時もしばらく抱き合ってただけでキスもできずに、大野さんが帰ってくるまでに雅紀は帰って行った。


それからたまーに会いはしてるけど。

そんなことできる場所にも行けず。

ただ少しの時間、一緒にいるだけ。

自分でも思うけどよく耐えられてるよなー。

まぁ、毎晩のように右手と雅紀の画像にはお世話になってるけど。


……しゃーねーじゃん。俺だってまだまだヤリたい盛りなんだから。

そりゃ大学生に比べりゃもうちょっと落ち着けよ、って思うけども。

そういうこと自体がゴブサタっちゅーのもあるし、毎回雅紀に会えた時に当てられる雅紀のフェロモンがそうさせるんだからしゃーねーじゃん。

はじめは、雅紀がいるのに、とか、雅紀の画像見ながらひとりでなんて失礼じゃないのか、とか、いっぱい考えたけども。

悲しいかな、男の性って……。

今は溜まりに溜まって雅紀を襲ったりしないように、って逆に開き直ってる。



でも二宮の言う、雅紀の様子に引っかかる。


「それより、大丈夫、なのか?」

「え?なにが?」

「イヤ、その……そんなオーラ振りまいてて、学内歩いてて誰かに襲われたり……」

「あー、まぁそれは大丈夫だと思うけど…。
俺が見てるし、番犬もいるし」

「番犬?」


俺が聞き返した時、店のドアが開いて店員の「いらっしゃいませー!」と言う声が響き渡った。



つづく……