Truth vol.25 | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。


↓前回はコチラ

。。。。。


「俺、雅紀くんが好きだよ……」

雅紀くんの目をまっすぐに見つめて言葉にした。


「さ、くらいさ、」

「こんなムードもないとこでごめんな?
でも、せめて俺から伝えたくて」

「オッ、オレもっ、好き、です……
櫻井さんのこと、好きです……!」


雅紀くんも目をうるませながら欲しかった言葉をくれた。


「うん、ありがとう。嬉しいよ」

冷静にニッコリ笑いながら、雅紀くんのもうひとつの手も俺の両手で包みこむ。





って……マジでええええええ!?



表面的には大人ぶってポーカーフェイスを決めてるけど。

心の中ではちっちゃな俺が何人も小躍りしてるくらいめっちゃ嬉しい。


だってそうだろ?

カワイイ雅紀くんに一目惚れして。

男同士なんて、って言う自分の固定概念まで覆して好きになった相手。

でも、最強のブラコン兄、大野さんによってことごとくジャマされて。

もう二度と会えないかもと悲観してバカみたいに仕事に没頭して。

そんな相手と両想いになれて小躍りせずしてどーする!


ああ……心の中のちっちゃな俺が今度はやたらめったとクラッカーを鳴らしてる。

なんならファンファーレまで聞こえてきた。



「……櫻井、さん?」


俺が感動に打ちひしがれていると、様子がおかしいと思ったのか雅紀くんが恐る恐る俺の名前を呼んできた。


「あっ、ああ、わっ、悪りぃ」


ちょっと自分の世界へ入りすぎてたようだ。


「えっと……じゃ、じゃあ、俺と、付き合ってくれる?雅紀くん…」

「あ、はい……オレなんかでよければ……」

「雅紀くんがいい。雅紀くんじゃなきゃダメ」

「え、と……オレ、も……櫻井さんじゃないと……ヤダ」


雅紀くんが照れながら顔を伏せる。



って……



かわいいいいいいいいいい!!


なんだこのかわいい生き物は!!


今すぐこの場で押し倒してキスの嵐を降らせてやりたい。



「櫻井さん?」

「あ?あ、あー、悪りぃ……」


また思考がぶっ飛んでた。



「でも、」


そうだよ。

ふたりが同じ想いなのは嬉しいことなんだけど。



「大野さんには……なんて言おうかなぁ」

「うん…………でっ、でもっ」


雅紀くんがキッと眉を上げて俺を見た。


「もっ、もぉオレもハタチだしっ。
別にさとにぃに許可なんていらないしっ」

「でも……」

「オレはっ、櫻井さんが好き、だしっ、こんなに人を好きになったのなんて初めてでっ、この想いは、大事にしたいしっ、櫻井さんと……もう離されちゃうのは……もう、ヤダ……」

「うん。……うん、雅紀くん、泣かないで」

俺は握ってる両手に力を込めた。


キュッと握ったあと、立ち上がった俺は雅紀くんの隣に移動した。


居酒屋だけど、個室だから誰も見てない。


もうなにもオーダーしてないから店員が来ることもない。


「さっ、櫻井さん?」

「ちょっとだけね」


そう言って隣に座ってる雅紀くんをそっと抱き寄せた。


「大野さんに秘密にしてるのも心苦しいけど、がんばって、その内認めてもらおう?
俺も、そんな理由で雅紀くんと付き合えないなんてイヤだから」

「うっ、うん……」

「大事にするよ。雅紀くん。
だから、俺のモノになって?」

「うっ、うん……嬉しぃ、櫻井さん……」


雅紀くんがまた涙をこぼしながら俺の胸の中に顔を埋める。


俺はそんな雅紀くんの頭を優しくなでた。


雅紀くんが「もう帰らないとさとにぃが帰ってくる」ってアセりだすまで、俺はずっと、ずっと雅紀くんの頭をなで続けてた。



つづく……