ふたりの記念日 vol.2 | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

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赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。



。。。。。


それにしても我ながら強引だったよなぁ……。


俺はクリスマスイブの日のことを思い起こしていた。


あのあと予定通り予約してたレストランに連れて行って。

最高のレストランに、最高の席。

窓から一面に広がる夜景をみながら食事ができる席。

何ヶ月も前から予約しておいてホントによかった。

ここに当日ひとりで食事するのは虚しすぎる。


楽しそうに、嬉しそうに食事をしながらも相葉くんは笑ってくれて。


酒も進んで、ちょっと酔ってきてて……

そういう状態が後押ししてくれて。


「……もう、帰る?」


絞り出すように声にする。


「……え?」

「良かったら……せっかくクリスマスイブだし、イルミネーションでも、どう?」

「え…………」

「俺とじゃ……イヤ、かな?」

「……そっ、そんなことないです!!
櫻井さんとイルミネーション、行きたいっ!!」

「ははっ。ありがとう。じゃ、そろそろ行く?」

「はい!!」


急に誘ったけど、単に「イルミネーションを見に行きたい」ってだけじゃなくて、「櫻井さんと」って言ってくれたセリフに気持ちが高揚してしまった。

そんなこと言われたら期待すんじゃん……。

相葉くんはなにげなく言っただけかもしれないけど。



そんなやり取りをして、日本一のクリスマスツリーを一緒に見て……


もう、俺は自分の気持ちを抑えられなかった。



「ホントは……ふたりっきりのとこで、言うつもりだったんだけど……」

「……え?」

「相葉くんが、好き」

少し戸惑う相葉くんの耳元に唇を寄せて囁いた。


「相葉くんが…好き、だから……」

「え……ええっ!?」

「やっぱり……迷惑、かな?」


いくら彼女がいないからって、いくらここまで付き合ってくれたからって、調子に乗りすぎたかな?

やっぱり……男同士じゃ……


「……あっ、いやっ、あのっ……
オッ、オレもっ!好きです!櫻井さんのこと、大好きです!!」


相葉くんの反応に勝手に落ち込んで、諦めかけたその瞬間、相葉くんからの思わぬ言葉。


「え……」


マジで……?

その言葉、信じていいの?


「オレも…っ、櫻井さんのこと、好きだったけど……告白なんて、できないと思ってたから……」

顔を赤らめながらそんなことを言ってくれる相葉くんの言葉に目を丸くする。

でも、信じていいんだよね?


「……そっか。じゃあ両思いだったんだ。……良かった……」

「うん……すごく、すごく嬉しい、です……」


俺こそ、すごく、すごく嬉しい……。

叶うと思ってなかったこの気持ち。


安心して、俺は相葉くんの手を繋ぎなおした。

いわゆる、恋人つなぎというものに。


「さっ、櫻井さん……」

「これだけ人がごった返してんだ。
他人の手元なんて誰も見てないよ」


周りを見ても誰も俺たちのことなんか気にかけてるヤツなんていない。


「相葉くん……
キミをこのまま……連れ去っていい?」

「……え?」

「相葉くんと、離れたくない……今日はずっと、一緒にいたい……」

「さくら、い、さん……」

「……いい、かな?」


俺はコクンとかわいくうなずく相葉くんの手を取って人混みをかき分けて、逸る気持ちを抑えながら相葉くんを連れ出した。



それからは…………

もう夢なんじゃないかって思うような幸せな時間を過ごした。


でも、かわいくて魅力的な相葉くんを目の前にして少々……イヤ、かなりがっついた俺は一晩中相葉くんを抱いて……

翌朝相葉くんに起こされるまで爆睡してて……

誕生日当日にかっこよく手渡そうと思ってたプレゼントを渡せたのは25日になってからだったし……


マジカッコ悪かったよな……

それでも相葉くんはとても喜んでくれて、「来年も一緒に誕生日を過ごして欲しい」だなんて言われて。


そのセリフ、俺が言いたかった!!


でっ、でもっ!
「付き合って欲しい」ってちゃんと言ったし!

相葉くんすっげー喜んでくれたし!


それから数週間、俺たちは仲睦まじく交際を続けている。

まぁ、元々忙しい営業部だし、ゆっくりできたのは年末年始の休みのほんのわずかな時間だったけど。


今度はいつ、ゆっくり会えるのかなぁ~。


そんなことを考えながら俺は営業部のフロアに続く通路をのんびりと歩いていた。


つづく……