続・契約という名の…… vol.3 | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

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赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。




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。。。。。

A-side





「……潤くん」



潤くんが向こうから歩いてくるのを、僕は足を止めて待った。



「まー、なにを急いでんの?」

「べっ、別に急いでなんか……」


「また…翔さんのところに行くの?」

「……えっ……」



潤くんは、唯一、僕としょーちゃんの関係を知ってる人。



そして、バカな僕をずっと止めてくれてる人。




そして……




「なぁ…いい加減そんなバカなことやめて俺んとこ来いよ……」






僕を、愛してくれる人……





僕は急いで潤くんに抱きしめられた体を振りほどく。



「ダメだよ、こんなとこで。
誰かに見られたらどうするの?」

「見られてもいいよ。公認の仲になっちゃおーぜ。
オマエを翔さんの元に行かせずに済むし」

「……何言ってんの?
ダメだよ、僕、行かなきゃ……」

「……そんなに翔さんの事がすきなの?」


潤くんの真剣な顔がまっすぐ見られなくて思わず顔を逸らした。



「潤くん……
うん、好き。大好きだよ。だから、ゴメンね?潤くんの気持ちには応えてあげられないの」

「じゃあなんで翔さんと付き合わねーの?
なんで好きだって伝えねーの?」


潤くんが僕の両肩を掴んで揺さぶってくる。


「それはね、」


泣きそうになってる潤くんを見上げて僕は微笑んだ。




「それを、しょーちゃんが望んでないからだよ」

「……まー!」

「僕は、このままでいいの。
このまま……大好きな人に抱かれてるってだけで幸せなの」

「じゃあなんでそんな笑い方すんだよ」

「……えっ……」

「そんな悲しげな笑顔で……ちっとも幸せそうなんかじゃないじゃん!」

「そんなこと、ないよ?
幸せ……だよ?」


それでも潤くんから目をそらせずにはいられなかった。



「こっち向けよ、まー。
俺の目ぇ見て、もっかい言ってみろよ!」

「……やめて、潤くん。
ゴメンね……もう、行かなきゃ……」



僕は潤くんの腕を振り切って踵を返した。



「まー!行くな!」

「ゴメンね、潤くん……
ありがとね、潤くん……」



潤くんを振り向いて精一杯の笑顔を見せる。



「僕……幸せだよ?
幸せ、だから……」




潤くんにそう言った言葉は潤くんに伝えたかったのか、僕が自分で自分に言い聞かせたのか、自分でもわからなかったけど。





つづく……