続・契約という名の…… vol.2 | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

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赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。




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。。。。。


S-side







『しょーちゃん!』

『しょおちゃーん!』

『しょ、お、ちゃん♪』




アイツに名前を呼ばれるのが好きだった。


アイツの、俺を呼ぶ声が心地よかった。



『櫻井くん』から『翔くん』になり、ここ数年はずっと『しょーちゃん』って呼んでくれてる。




それが……いつからその声を聞いていないんだろう……






きっかけは……俺、か……


初めはただの興味本位だった。


酔った勢いでの『オトコとの性交』。



ただ、それだけだった。



どうせ抱くならゴツイオトコよりは細身な、華奢で儚げなヤツの方がいい。






ダンスも歌もろくなもんじゃない。



しかも……ジュニアの頃からいっつもビクビクしてて人見知りが激しくて。



そのくせ二宮には絶対的信頼を寄せてる。


ジュニアの頃のふたりはそれこそ恋人同士かと見紛うほどいつも一緒にいた。


ニコイチと言っても過言ではなかった。




しかも俺たち5人が嵐になって、二宮ほどではないけどジュニアの頃から仲良くて気を許してる松本。


嵐になって初めてくらいに顔を合わせた智くんにも波長が合うのかなんなのか、すぐに打ち解けて『マイナスイオンを発生する天然コンビ』って言われるほどの仲になったふたり。



……なのに、俺とはいつまでも交わることなく平行線で。



たまに話しても明らかにビクビクしてるのは超絶鈍感だと言われてた俺にもわかるほどで。



俺もあの頃はとんがってて、周りを全て否定して、五秒で切れるようなヤツだったから、相葉みたいなヤツからしたら近寄りたくない代表みたいなもんだったんだろうか。


それでも少しずつ、少しずつ……距離は縮んでいったかのように思えてた。


少しずつ俺にも向けられるアイツの笑顔。


ヒマワリのような笑顔。



一度それを褒めてやったら今まで以上のヒマワリが咲いてたっけ。



それでもアイツが俺の領域に踏み込んでくることはなかった。



ほかの3人のメンバーとは一線引かれてる気がして、またイラついた。




だから……俺に警戒心むき出しのアイツをめちゃくちゃにしてやりたかった。


俺の腕の中でめちゃくちゃに鳴かせてみたかった。




俺がアイツを選んだ理由は確かそれだけだったような気がする。



でも、言い訳じゃないけど、相葉も拒まなかった。


実は俺のことこういう意味で好きだったのか?と錯覚するほどだった。



でも……




『キスは……やめて……』


初めての行為中、相葉が唯一口を開いた言葉。


悲しげに、口元を手の甲で隠す仕草で顔を背けた。



それ以外は体がとろけるほどお互いの熱を交わらせていた。


はず。




それからは、体の関係は続いててもキスは一度もしたことがない。




俺との行為は愛なんかないと言いたいのか?



ただのお互いの性欲処理だとでも思ってんのか?




それも、俺をイラだたせる要因の一つでもあって。




また今日も無機質にアイツを呼び出す。




『22時』



それだけ打ってしばらく画面を眺めてるとすぐに既読がつく。



返信はないけど。



アイツが俺の呼び出しに返信してきたことなんかない。



断ってきたこともない。




俺は、明日のアイツのスケジュールなんか知らない。




もしかしたら早朝ロケでもあるのかもしれない。




でも、俺はアイツを呼び出す。



自分の欲望のままに。



イヤなら断ればいいんだよ。



別に強制してるわけじゃないんだから。




来なけりゃいいことだろ?





でも、俺はわかってる。




アイツが絶対来ることを。




小さく息を吐いてスマホをカバンにしまうとイスから立ち上がって楽屋を出ようとした。



「おつかれ」



一言そう言って相変わらずゲームを貪ってる二宮に声をかける。



「……お疲れさん……」



二宮がゲーム機から一瞬目を離して俺を見上げる。





その目はなんだか何もかも見透かされてるような気がして、




俺はいたたまれなくなって急いでその場をあとにした。





つづく……