きみがいるから vol.180 | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

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赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。




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。。。。。




じゃあな、がんばれよーと、妙に楽しそうなカズが手を振って帰って行って。




なんでカズがあんなに楽しそうなんだよ、とちょっとおもしろくない自分がいて。




それでも気づかない内になんかキンチョーしてたみたいで……



カズが帰ったあと、ベッドにゴロゴロしてたらいつの間にか眠っちゃってたみたい。




目が覚めて慌てて起き上がると窓の外が少し薄暗くなりつつあった。




「あ、もうこんな時間……」



壁にかかった時計を見てつぶやく。




「宿題、やんなきゃ……」



そう言ってうーん!と両手を上げて伸びをする。




そういや、明日は松岡先生が軽くテストするし、宿題の範囲内で出すからちゃんと宿題してこいよって言ってたな……




じゃあ、今日はいつもより真剣に宿題しますか……




そう思って宿題に取り掛かるけど……




やっぱりわかんない。





「翔ちゃん、もう帰ってるかな……」



翔ちゃんに聞こ。




そう思って翔ちゃんの部屋まで行き、ドアをノックする。




何回かしたけど返事がない。



まだ帰ってきてないのかな?



それとも……オレみたいに寝てる?




「翔ちゃん、入るよ……」



そうつぶやきながら部屋に入るけど部屋は薄暗いままで。




部屋の主がいないことを物語っている。




あ、でも来たついでに参考書借りていこかな。




そう思って部屋の電気を点けて机に向かう。




「えー、っと、参考書、参考書……」




相変わらず整理整頓は苦手な翔ちゃん。



部屋もけっこう汚いけど机の上も相当なもので。



モノをかきわけないと何があるかわからない。



それでも目当ての参考書を探し出し、積み上げたモノから引き出すとその山が少し崩れた。




その時、一枚の紙がペラっと舞って机の下に落ちた。




「あ、いけね……」




オレはその紙を拾い上げて机の上に置きなおそうとしてその内容が目に入って手を止めた。




「え……なに、コレ……」




オレは何回も何回もその中身を確認した。



まるでその内に書いてある内容が変わってくれるんじゃないかと願うように何回も何回も……






。。。。。




「そういや、翔くん」


マウスから手を離して、また俺の顔をのぞき込みながら智くんが言った。



「ん?何?智くん」


「もうあの事、まーくんに言ったの?」


「え?あー……イヤ、まだ……」


「えぇ?まだなの?隠してもいずれバレるじゃん」


「ん……そうなんだけど……言いにくくて……」


「あとになればなるほど言いにくくなると思うけど……」


「んー、そうだね……」




でも……俺はそれでもまだ迷ってた。




智くんの言うように先延ばしにしていても何ひとつ状況が変わるわけでもないんだけど……



それでもやっぱり言い出せなかったのは……まだ心のどこかで迷ってたから。



色々な思いが胸の中に渦巻いていたから。







つづく……