どうもぱちんこ特許チャンネルです。
ご無沙汰してます。
約1ヶ月ぶりですね。
まあ「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」というくらいですから、1ヶ月空いたとしても「あ、今回はちょっと遠くのホールに足を延ばしてるんだな」くらいの感覚で大目に見て下さい。(うん、よくわからない)
でも確かに「予も、いづれの年よりか、片雲の風に誘はれて、漂泊の思ひやまず」という気持ちはわからなくもないですよね?
「さすらいの旅」という響きだけでワクワクしてきます
…と、どうでもいい前置きはこのくらいにして、今回はタイトルにある通り「遊技機の音量」について書いていこうと思います。
「遊技機の音量」、とりわけ「音量調整」についてはこれまでにも何度か書いていますが、せっかくなのでなるべく整理して書いてみます。
<過去記事①>
<過去記事②>
1.遊技機の最大音量
まず、『遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則』の中に最大音量に関する記載はありません。
なので昔は各社自由に決めていました。
と言ってもわざわざ何db(デシベル)かを測定していたわけではなく、聞いた感じで特に問題なければOKを出していたように思います。(多分)
それがある時(たしか2012年とか2013年とかその辺)、「取り決め事項として最大音量を決めよう」という流れになりました。
詳細な時期、詳細な理由は忘れましたが、少なくとも現状の取り決め事項は以下の通り。※最初は全部素直に書いていたのですが、過去記事で書いたぱちんこ以外はモザイクかけました。
①ぱちんこ
最大音量:95db以下
工場出荷時:85db以下
②回胴(日電協)
最大音量:???
工場出荷時:???
③回胴(日工組)
最大音量:???
工場出荷時:???
ちなみに騒音値の基準と目安はコチラ。
ここでのポイントは、「そもそも85~95dbというのはうるさくて我慢できないレベル」だということだけ覚えておいて下さい。
2.ホール側の音量調整
これまた詳細な時期は忘れましたが、いつの頃からか遊技機の裏側にある音量調整スイッチ(クルクル回すタイプや左右にスライドするタイプなど)も多段階化していきました。
昔は「大・中・小」とシンプルだったような気もします(昔のことは昔をよく知る人に聞いて下さい)が、特殊演出用モードや節電用モードが選択できるようになって段階がどんどん増えていきました。
しかもその仕様が組合で統一されているわけでもなくメーカーごとにバラバラで、さらには同一メーカー内でも変更があるなど、「とてもじゃないけど覚えてられん」というのがホールさん側の本音だと思います。
ここでのポイントとしては、「仕様がバラバラで設定が面倒」とだけ覚えておいて下さい。
3.遊技者側の音量調整
先ほどの音量上限値の取り決めがなされた頃と時を同じくして、徐々に音量調整が可能な遊技機が増えていきました。
最初は変動停止中しか音量調整できない台がほとんどでしたが、変動中に音量調整できる台も少しずつ増えていき、今ではそれが当たり前のようになっています。
便利である反面、「最適」と感じる音量が遊技者によってバラバラなので、小音量を好む人の隣に大音量を好む人が座ると・・・という状況も当然起こり得ます。
ここでのポイントとしては、「大音量を不快に感じる人もいる」ということだけ覚えておいて下さい。
4.メーカー側の苦悩
上記2,3を搭載する過程で、メーカーとして決めなければいけないことが出てきました。
それは、「ホール側設定」と「遊技者側設定」をどのように設定するかという点です。
ホール側設定だけだった時は、
大:95db
中:85db
小:75db
で良かったのですが、これに遊技者側設定が加わったことにより、それぞれの音量設定をどのようにするか考える必要が出てきました。
例えば遊技者側設定が3段階の場合、少し考えるだけでも次のようにいくつかの方法に分かれます。
(方法1)ホール側設定を初期値(デフォルト音量)とし、遊技者が調整できる範囲も同じにする。
遊技者音量3:95db
遊技者音量2:85db
遊技者音量1:75db
※ホール側設定ではデフォルト音量が変わるだけ
(方法2)ホール側設定に応じて、それぞれ3段階ずつ(合計9段階)用意する。
ホール音量大:89~95db
遊技者音量3:95db
遊技者音量2:92db
遊技者音量1:89db
ホール音量中:79~85db
遊技者音量3:85db
遊技者音量2:82db
遊技者音量1:79db
ホール音量小:69~75db
遊技者音量3:75db
遊技者音量2:72db
遊技者音量1:69db
(方法3)1と2のハイブリッドで、一部共通にする。
※最大音量だけ違う例
ホール音量大:70~95db
遊技者音量3:95db
遊技者音量2:75db
遊技者音量1:70db
ホール音量中:70~85db
遊技者音量3:85db
遊技者音量2:75db
遊技者音量1:70db
ホール音量小:70~80db
遊技者音量3:80db
遊技者音量2:75db
遊技者音量1:70db
ここでのポイントとしては、「メーカー側もどれが正解かまだ分からない」ということだけ覚えておいて下さい。
5.全日遊連からの音量に関する要望①
そんな状況の中、2018年4月18日に全日遊連(ホール組合)から日工組(ぱちんこ組合)と日電協(回胴組合)に対して、遊技機の音量と光量の調整機能に関する要望書が提出されました。
過去記事②で書いたので詳細は割愛しますが、4点の要望(音量3点、光量1点)がありました。
当時は上の4で書いた「方法1」=「ホール側設定を初期値(デフォルト音量)とし、遊技者が調整できる範囲も同じにする」というメーカーが多く、ホール側が最大音量を設定できないので何とかしてほしいというものでした。
たしかに方法1では、ホール側が「小」に設定したとしてもそれは初期値でしかないので、遊技者が音量を最大値に変更したら爆音が流れることになります。
というわけでそこから各社対応スピードの差はあれども、順次対応していくという流れになり今に至ります。
ここでのポイントは「全日遊連から要望があって、メーカー側がそれに応じた」ということだけ覚えておいて下さい。
と、ようやく現代に戻ってこれたのですが、あいにく私のHPとMPが残りわずかのようなので今回はここまでにしておきます。
後編では、
6.今回説明したことを踏まえての「現在の課題」
7.これまでとは違う課題による「音量に関する要望」
について書いていこうと思います。
今日はここまで。
それではまた。