どうも、パチンコ特許チャンネルです。
今日はパチンコ業界ネタをひとつ。
テーマは「音量調整」です。
駆け足でこれまでの流れを見てみましょう。
ソースは私の記憶です。(信じるか信じないかはアナタ次第。でも人に話すときは自己責任で)
①~2010年頃
・ホール側は「大・中・小」、「1~5」といったように、複数段階の中から好きな音量を設定できた。
・遊技者が音量を調整するという概念はまだなかった。(後半にはチラホラ出てきたかも)
②2010年頃~2012年頃
・ホール側は①と同じ。
・この頃になると音量調整できる機種も出てきた。
・ただし、音量調整ができるのは「図柄停止中」だけだった。(内規や規則で決まっていたのではなく、制御上そうなっていた)
⇒保留0時の意図的な長変動も相まって、一度決定したら「ちょっと大きいな(小さいな)」と思っても我慢して続けていましたね、私は。
③2012年末
・日工組が「パチンコの音量」に関する内規(音量の上限を95dbとする)」を発表。
⇒・・・ちょっと記憶が曖昧なんですけど、発表時は内規の制定理由として「やさしい遊技環境作りを目指して」みたいに言ってましたけど、本当は電波法に抵触するおそれがあるからだったような。(信頼度12.5%くらい)
それから、「音量上限は95db、工場出荷時は85db以下」という内規が何を示しているかと言うと、「音量調整できる機械は95dbまで上げていいけど、音量調整できない機械は85dbが上限ね」ということです。
これにより、必然的に全社音量調整可能にせざるを得なかったわけですね。
この「○○db(デシベル)」というのがくせ者でして、一応測定方法の目安みたいなものはありましたが、厳密には各社任せ。
「同じ環境、同じ測定器具、同じ測定回数」というわけではありませんでした。
120~130dbくらい極端に高かったらばれますが、正直人の耳で85、95、105を聞き分けるのは無理です(ホール環境だとなおさら)。
藤商事は真面目に音量を測定し、遊技者にも店員にも優しい「呪怨」という台を出してましたね。
・・・ホールとメーカーには優しくない結果になっていましたが
④2013年~2018年頃
・ホール側は依然として①のまま。
・変動中にも音量調整できる機械が増えてきた。(現在の仕様に近づいてきた)
⇒普段は音量を2にして最低限予告音が聞こえるようにしておき、熱そうな展開になってきたら音量を1にして誰にも見つからないようにしていました、私は。
⑤2018年4月
・全日遊連(いくつかあるホール団体のひとつ)が日工組・日電協に対して「音量上限値をホールが設定できるようにしてほしい」「エラー音も下げられるようにしてほしい」という内容の要望書を提出。
⇒音量調整ができるようになる前は、「ホール側が設定した音量=遊技機の音量」でした。
でも、遊技者が音量調整できるようになった後は、「ホール側が設定した音量=遊技機の初期音量」でしかなくなっていました。
例えば、これはサンセイさんの音量調整画面。
今、音量は「5」になっていますね。
ホールが設定できるのは初期音量だけというのは、例えば、
・ホール側設定:「大」 → 初期音量:「7」
・ホール側設定:「中」 → 初期音量:「5」
・ホール側設定:「小」 → 初期音量:「3」
ということです。(サンセイさんがこのような仕様になっているかは知りません)
これだとたしかに初期音量(かつしばらく席を離れるとリセットされて設定される音量)はホール側で設定できますが、「大」「中」「小」いずれに設定しても、遊技者は最大音量9を設定できてしまいます。
全日遊連が要望したのはこの部分。
「なぜホール側が音量上限を決められないのか」という点に不満を持ったわけですね。
具体的には、「大」なら音量上限「9」、「中」なら音量上限「7」、「小」なら音量上限「5」といったように設定させろ、ということです。
それとともに、「エラー音も下げられるようにしてほしい」という要望もありました。
ドアを開くと「扉が開いています!」とけたたましく鳴り響きますからね、せめてメンテナンス中くらい静かにしてくれよ、と思ったのでしょう。
組合側の回答は、
・ホール側が音量上限を設定できるようにしてほしい→OK
・エラー音も下げられるようにしてほしい→NG(不正防止の観点からNG)
というものでした。
⑥2020年1月
・大一
つまり、音量上限値は「4」または「6」ということになりますので、ホールの要望に応えていますね。
・平和
→画像からは対応済みか読み取れません。
・三共
→画像からは対応済みか読み取れません。
・サミー
→画像からは対応済みか読み取れません。
大一のように制限マークがついていないからといって、即座に「未対応」と判断できるわけではありません。
なぜなら、ホール側設定がいずれであっても遊技者は(例えば)5段階の中から調整できる、という仕様かもしれないからです。
・ホール側設定:「大」 → 音量1:50db、音量2:60db、音量3:70db、音量4:80db、音量5:90db
・ホール側設定:「中」 → 音量1:40db、音量2:50db、音量3:60db、音量4:70db、音量5:80db
・ホール側設定:「小」 → 音量1:30db、音量2:40db、音量3:50db、音量4:60db、音量5:70db
このように、見た目は同じ5段階でも、しっかりホールの要望に応えている場合もあります。
ホール関係者の方は、次にメーカー・販社の営業の方に会ったら、音量調整の仕様を質問してみるのもいいかもしれませんね。
逆に営業の方は、質問されることを想定してしっかり仕様を把握しておくといいかもしれません。
今日はここまで。
それではまた。