自宅は築50年越えの空き家をフルリノベーション

インテリアと家づくりが学べる一級建築士によるブログ

 

 

 

 

数十年ぶりの着工棟数 

 

先日発表された2023年の注文住宅着工戸数、悲惨な結果となりました。

 

持家(注文住宅)の総計は2年連続で前年比二ケタ割れの224,352戸、表の過去22年分と比べても最低。

 

なんと1960年の233,259戸以来の数字となってしまいました。

 

 

これはやはり急激な物価上昇により注文住宅を諦める人が増えた、という要因が大きいのだと思います。

 

一方、分譲戸建て(建売住宅)は前年比-6%とまだ耐えており、注文から建売にシフトした人が多いことが想像できます。

 

注文住宅大手のダイワハウスも、今後建売住宅を以前の3倍超まで増やすと発表しています。

 

 

 

土地価格上昇に注意 

 

こちらも先日発表されたばかりの不動産価格指数です。

戸建てはこの一,二年は高止まりといった感じですね。

 

最近はメーカーからの値上げ通知もかなり少なくなりましたし、このグラフは概ねその通りだと思います。

 

とはいえ戸建住宅がこのまま値下がりするかといえば、その様子は全くと言っていいほどありません…

 

しばらく(数年)は高止まりするのでは?というのが私の予想です。


 

むしろ気になるのが住宅地価格の上昇ですね。

 

 

「大手不動産屋が新規分譲地でかなり強気の価格設定をしている」

 

こんな話も業界ではよく聞くようになりました。

 

 

こんな値段で売れるのか?と思われるような土地も気が付くと売れているんですよね。

 

大手ハウスメーカーが買って建売にする、という構図が多いようです。

 

 

このまま地価が上がり続けるというのは無いと思いますが、住宅価格同様に高止まりするのではと予想しています。

 

 

 

 

住宅ローン固定金利は上昇 

 

こうなってくると尚更住宅が売れなくてなっていくのですが、住宅ローン金利が低いというのがまだ救いでしょうか。

 

 

固定金利(フラット35は直近引き下げ)は上昇していますが、変動金利は上がる気配がありません。

 

どのようにして各金利が決まるのかの説明は割愛しますが、私は変動金利は上がらない可能性が高い、と予想しています。

 

 

理由としては国内の物価上昇が緩やか、米国などその他の諸外国のインフレが落ち着いてきている、などが挙げられます。

 

米国に至っては利下げの話まで出てきていますからね。

 

 

とはいえ将来の金利を正確に予測することは不可能です。

 

自分に合った住宅ローンを選択しましょう。

 

 

借りられる額ではなく、返せる額でローンを組むといのが重要です。

 

 

 

補助金はどうなる? 

 

昨年はこどもエコすまい支援事業でしたが、今年は子育てエコホーム支援事業です。

 

 

名称を微妙に変えて毎年似たような補助金事業が続いています。

 

子育て世帯や若者夫婦世帯が新築住宅を建てると、最大100万円が支給されるのですが正直言って新築住宅に100万円は焼け石に水です。

 

 

ここ数年で住宅価格が20%近く上がっているのに、補助金額はほぼ変わってないのです。

 

これでは「よし新築を建てよう!」とはなりません。

 

 

政府もこれ以上住宅業界が疲弊するのを無視はできないでしょうし、次回は補助金が大幅アップするのでは?と予想しております。

 

 

是非たっぷり溜まった裏金を景気支援策に使ってもらいたいものです。

 

 

 

 

今年は家を建てるべきか? 

 

戸建住宅に関してですが結論から言いますと、

 

「様子見が吉」

 

 

主な理由としては

 

・住宅価格の上昇が止まっている

・金利動向を見極めたい

・来年以降の補助金拡充や減税の可能性

・住宅会社の倒産リスクを避けたい

 

これらが挙げられます。

 

 

特に4番目ですが、すでに建設業の倒産件数はかなりの数になってきました。

 

今年は正念場で、更に多くの建設業者が倒産するのではと言われています。

 

 

建築中に住宅会社が倒産して泣き寝入り

 

こんな悲惨なニュースも増えるかもしれません。

 

その点、建売住宅ではそのリスクがないので安心ですね。

 


以上なりますがこれらはあくまでも私見です。


また、中国経済の状況などによって一瞬で世界が一変するかもしれません。