
一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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先日納品させていただいた内観パース、掲載許可頂きましたのでご紹介します。
ちなみに今回のご依頼内容は、
「夫婦でインテリアの好みが違うので落としどころを見つけたい」
「間取りもチェックしてほしい」
ざっとこんなところでした。
夫婦でインテリアの好みが分かれると大変です。
インテリアコーディネートのいいとこ取りは難しく、互いに譲らないと大抵の場合悲惨な結果になります…
というのも、定番のインテリアスタイルなら参考になる画像などネット上でいくらでも探せますが、異なるスタイルを組み合わせた画像というのはなかなか見つからないからです。
なので頭の中で色々と想像しながら進めていくのですが、半分ギャンブルみたいなものですよね。
稀にセンスの塊のような方がいて大成功するパターンもありますけど…
そこで内観パースがあればその失敗を回避できる!というわけです。
しかし今回はもうひとつ大きな問題が…
ご依頼者様いわく、
担当建築士のやる気がない。
とのこと…
これは酷い、同業者として情けない。
ということでご依頼者様自ら間取りを考えておられました。
そしてそれを私がチェックするという流れに。
(担当建築士は何してる…)
最近は簡単に間取りを作成できるソフトもあり、お施主さん自身で間取りを考えることも増えてきました。
しかし正直なところこれはあまりオススメしません。
木造の場合は様々な設計ルールがありますし、住宅会社によっては「ラッキー♪間取り考える手間が省けた!」と喜ぶ担当者もいるかもしれませんからね。
しかし今回ご依頼者様が作成した間取りはとても上手にまとめられており、プロ顔負けの間取りでした。
私はそれに対して構造や法的なチェックやアドバイスをする程度でしたね。
さて、前置きが長くなりましたがこちらが今回作成したパースです。
ご夫婦それぞれの希望は、
「西海岸スタイル」
「某大手メーカーのような重厚感のあるスタイル」
この2つをMIXさせ、なおかつ実際に施工する工務店が対応できる内容にまとめました。
いくらオシャレでもあまりに非現実的なパースを作っても意味がないですからね。
ホワイト基調の内装にブルー系インテリアを用いて爽やかさを意識しながら、天井や床の木部はウォールナットやチークなどやや重めの色味を合わせました。
サッシをブラックにすることで空間が引き締まりましたね。
テレビ背面の石張り壁もポイントです。
西海岸スタイルでもわりと使われる内装仕上げで、重厚感を表現するにももってこいです。
このパースを見てご依頼者様は「互いの意見を上手く取り入れてくれた」と大変喜んでくださいました。
SNSで家づくりについて調べていると、夫婦のどちらか一方は満足しもう一方は不満を抱いてる、このパターンって案外多いんですよね。
「もっと意見すればよかった」
「こんな家に住みたくなかった」
インテリアデザインに限ったことではなく、土地決めからハウスメーカー選びなど家づくりは選択と決断の連続です。
精神的にも重労働ですので、つい決断を誰かに委ねてしまうこともあると思います。
しかしその家でこれから何十年と暮らすのは自分自身ですので、最後まで投げ出さないこと、それが一番大事なのではないでしょうか。
(どこかで聞いたことあるような)
【お知らせ】
パース作成サービスの内容を一部変更しました。詳しくは近日記事にしますので少々お待ちください。