
一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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現在リノベーション工事を行っている現場の床下を覗いたらこんなものを発見。
緑色の棒状のものが2本立っています。
これはプラ束(プラスチックつか)と言いまして床の荷重を支える部材なのですが…
設置方法も設置位置もおかしいんですよね。
写真には木の束もたくさん写ってますが、束の下にはコンクリート板が敷いてあります。
一般的にはこのように設置するのですが、プラ束の下にはそれもありません。
よってこれがもし床下の補強工事であれば、意味のない工事ということになります。
さらに写真奥には床下換気扇も見えます。
床下換気扇は床下に湿気が溜まらないように、強制的に換気を行う設備なのですが正直なところ効果は・・・です。
どのような経緯でこのような工事をしたのか、元の家主さんに聞くことも出来ないため真実は分かりませんが、
なんだか悪徳リフォームの臭いがプンプンします。
実際にこのような床下や天井裏などでの悪徳リフォームは、20年くらい前から横行してました。
なのでリフォーム工事などを行うとたまにこのような現場に遭遇するんです。
最近はあまりこのようなニュースも聞かなくなりましたが、悪徳業者がいなくなったわけではありません。
住宅リフォーム・紛争処理支援センターの資料より
リフォーム業者の訪問販売における相談件数ですが、2021年度はここ5年では最多です。
さらに右の図を見て分かる通り、相談者の多くが契約後に相談しています。
そしてその内の56%の方が契約解消を望んでいるとのことでした。
リフォームの訪問販売ですが、私的にはかなりグレーな印象です。
業者から「外壁がヤバいことになっていますよ!」「床下を無料で診断しますよ!」などと言われても、一度に冷静になってまずはどなたかに相談してみてください。
特に無料診断には気をつけてください。
悪徳リフォーム業者にこれをやられたら、後はあることないこと言われてリフォームの話がトントン拍子に進んでいきますので。