
一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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7月18日夜10時スタートのドラマ「魔法のリノベ」
CMで気になって原作漫画を読んでみたのですが、
これがなかなか面白い。
リノベ自体はけっこう現実的なプランが多く、建築的な視点としてはちょっと物足りないですが。(これが建築士の悪いところ…)
それでも人間模様などをうまく絡めており、漫画としては面白かったです。
これはドラマも見てみたい。
ここから先はネタバレもちょっと含みます。
リノベあるあるの1つ、
「思い出の家を残したい」
リノベはしたいけど、長年住み続け思い出の詰まった家が変わってしまうのが辛い。
私もお客さんからこのように言われたことがあり、漫画の中でもそのような話が登場します。
では既存の建物を活かしましょう!となるのですが、これがなかなか難しい。
何を残してどのように活用するのか、特にデザイン面が問題になってくることが多いです。
例えばこちらのお家
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障子戸や欄間をリメイクし、天井仕上げも再利用しています。
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正直、建具のリメイクはそこそこコストがかかります。
それでも以前のお家の面影が少しでも残るということに、何事にも代えがたい満足感を得られるのでしょう。
これはここで暮らしていた方にしか分かりません。
間取りによる暮らしやすさ、性能による快適さ、これらはもちろん大切です。
しかしリノベの場合はこれらだけで解決しない問題もあるので、我々がどこまで親身になれるか、そして提案力が試されます。
続いてこちら、
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古い家では定番の縁側があります。
この日当たりのいい縁側をどのように活かすか、これがリノベのカギでした。
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そして縁側はウッドデッキに生まれ変わることに。
(変わり過ぎててちょっと分かり難いかも…)
家主は若世代に引き継がれ、自分達のライフスタイルに合わせたリノベです。
after
ソファが置いてある部分も元々は屋内空間。
とても大きな家だったのでこのようなアウトドアリビングまで作ることができました。
きっと暮らしはより豊かになった(はず)でしょう。
しかし、どのような家でもリノベできるわけではありません。
あまりにも古すぎる家や、構造躯体に大きなダメージのある場合などリノベをオススメしないケースもあります。
まずはリノベに強い建築士に実際に家を見てもらう、話はそこからですね。