
一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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先日相談に来られた女性のお客さん(おそらく30代)は新築を検討中とのことでした。
しかし月々の返済額を考えると不安でなかなか決断できない様子。
そんな中、月々の返済額を抑えるという名目で「住宅ローンを40年で組んでみたらいかがですか?」と他のハウスメーカーの営業に提案されたとのこと。
今は多くの金融機関で40年の住宅ローンを組むことができます。
確かにそれなら35年ローンと比べ月々の返済額は若干抑えられます。
しかし40年ローンともなると、70歳になっても住宅ローンが残っている可能性が高いわけです。
もちろん借入期間が延びるので総返済額も増えます。
これって住宅を売る側として正しいアドバイスなのでしょうか…
住宅ローンを組む際に今の家賃と比べる方は多いです。
一見正しい比較方法のように思えますが、賃貸の家賃と持ち家の住宅ローンは全くの別物です。
住宅会社も「今の家賃と比べてみてください!」という宣伝文句を多用しがち。
それは目先の支払い額を比べさせたほうがお客さんは分かりやすく(想像しやすい)、家賃を払うのがもったいない!という思考に持っていきやすいからです。
「でも住宅は資産になるでしょ?」という議論になるのですが、それはまた別の話です。
で、結局私はどんなアドバイスをしたかと言うと
「新築じゃなくてリノベでいきましょう、借り入れ期間はできれば30年くらいで」
リノベは全く検討してなかったようですが、私自身の経験や過去の事例をお見せするととても興味を持って頂けた様子でした。
女手一つで小さい子を育てている方に「40年ローンでいきましょう!」なんて…
お節介かもしれませんが私にはとても言えませんでした。
そして今日、日銀が指し値オペという長期金利を低く抑えるための手段を取りました。
これにより住宅ローン金利もしばらく低空飛行が続きそうです。
しかし建材や設備の値上げは半端ないことに。
-リフォーム産業新聞より引用-
ウッドショックもまだ終わりが見えませんし、家づくりを考えている方には厳しい状況が続くでしょう。
そして厳しい状況は我々住宅業界も同じです。