
一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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大手ハウスメーカーも中古住宅の買い取り再販事業に本腰を入れてきたようです。
買い取り再販事業とは、中古住宅や空き家を住宅会社や不動産屋などが一旦買い取り、リフォームをして(しない場合もあり)再度販売すること。
以前の中古住宅の主な流通方法は不動産屋などが住宅を買い取ることはせず、あくまでも仲介として売主と買主の間に入るだけでした。
買い取り再販は売主としてはすぐに売れて現金化できるというメリットもありますが、場合によっては売主の足もとを見て安く買い叩くというケースもありそうです。
では中古住宅を求めている側の人たちにメリットはあるのか。
今の買い取り再販物件の多くはリフォーム済で、購入後すぐに入居することができます。
また建売住宅が注文住宅より割安になるように、すでにリフォーム工事が完了している中古住宅は新たにリフォーム工事を依頼する場合よりも割安でしょう。
続いてデメリット。
まずはなんと言っても家に対する自由度が無いということです。
私自身、中古住宅(空き家)をリノベして暮らしておりますが、中古住宅を探す際の条件として重要視していたのがリフォーム前の物件であるということ。
リフォームされてしまってはその費用が中古住宅の価格に転嫁されるので、自分の好きなようにリフォームしたい!という方にとってリフォーム済物件は嬉しくありません。
次に気を付けたいこと、それはリフォーム工事の記録がしかっりと残っているかどうか。
一口に中古住宅と言っても、築年数や状態はピンキリです。
中には柱や土台が白アリに喰われていたり、現在の建築基準法の耐震性能を満たしていない住宅もあります。
その場合でも柱を交換したり、耐震補強を行えば問題ありません。
しっかりと住宅の調査を行い記録を残している事業者もおりますが、中には不都合な真実を隠す事業者もいるかもしれません。
壁の中なんて工事中でなければ確認することが出来ません、工事や調査の記録をしっかりと明示してくれる業者を選びましょう。
そして最後は、断熱改修工事を行っていない物件が多い、ということです。
一般的に築年数が古くなればなるほど、住宅の断熱性能は低くなります。
私の住んでいる雪の多い地域でも、断熱改修を一切行わず床や壁紙、キッチンやお風呂だけ直して再販されている中古物件が多いのです。
なぜそのようなことをするのか。
それは内装仕上げや設備はお客さんが一番気にするところで、とてもウケがいいからです。
どんな古い住宅でも内装と設備さえ直してしまえば、見た目上は新築とそん色なくなるのです。
逆に断熱改修は見た目ではまず分からなくて、その割にコストがかかってしまいます。
出来るだけ販売価格を抑えて回転率を上げたい事業者にとっては、断熱改修工事は避けて通りたい道なのです。
いくら見た目が綺麗で新築そっくりでも、暑くて寒い家に住んで本当に幸せでしょうか。
やっぱり断熱改修もしておけばよかった…と思った頃には時すでに遅し、後から出来るのは内窓取り付けくらいです。
現在、我が家は築52年(現在54年目)ですがもちろん断熱改修&耐震補強も行いました。
何ら問題なく快適暮らしております。
築半世紀越えの住宅にもこれくらいのポテンシャルを備えているのです。
今後日本は間違いなく中古住宅の需要が増していくでしょう、買い取り再販事業者にとっては大きなビジネスチャンスです。
粗悪な延命治療をしただけの中古住宅が増えないことを願うばかりです…
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