
一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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窓の計画というと「採光」や「遮熱」「断熱性」、「窓から見える景色」など様々考慮しなければいけません。
しかし窓の計画で忘れがちなことが1つあります。
それは「家具の配置のしやすさ」です。
さっそく我が家を例にご説明。
before
築52年の中古住宅(空き家)をリノベしたのですが、注目して頂きたいのは赤丸で囲んだ窓。
リノベ前は掃き出し窓ばかり。
もちろん掃き出し窓はメリットもありますが、断熱性能や気密が落ちるということも考慮しなければいけません。
あと個人的な感想ですが、あまりに窓の多い空間はどこか落ち着かないなあ、と。
窓の計画、他にも考慮すべきことも。
それでは本題の「家具の配置のしやすさ」について。
after
リノベ後は先ほどの赤丸で囲んだ窓を腰窓に変えました。
木製サッシの上げ下げ窓。
窓の面積は以前よりも減りましたが、これでも昼間は照明点けなくとも十分に明るいです。
採光計算がしっかり出来ていれば、無駄に窓を多くする必要もありません。

そして掃き出しから腰窓に変えたので、家具の配置パターンが多彩に。
このように窓下にチェストを配置したり、壁にソファを付けることも出来ます。
掃き出し窓ではそういうわけにはいきません。
30帖以上の広さがあるLDKはそこまで気にしなくてもいいですが、20帖前後の場合は窓だらけになると家具の配置が難しくなることがあります。
それは建築士が家具のことまで考慮せずに設計していることが原因です。
TVを置く位置だけ決めて終了、なんてことも。
「え?この空間にソファやダイニングどうやって配置するの…?」
そんな図面をたまに見かけます。
ダイニングテーブルも片面を壁に付けることで省スペース化でき、さらに窓も設ければ明るく心地よいダイニングになります。
窓の計画と家具の配置、この2つは同時に検討する必要があります。
建売住宅は仕方ないですが、注文住宅ならその辺も注意して図面を見てみましょう。