一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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前回のブログに対する温かいコメントやメッセージ、本当にありがとうございました!
で、そのリノベ物件についてまだ触れてなかったので、さっそく書いていこうと思います。
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築60年、増築を繰り返し肥大化した住宅。
左のほうの建物も全て繋がってます。
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縁側部分には基礎もないんです。
これは「石場建て」と言いまして、古い日本家屋や神社などによく見られる建築方法です。
一見頼りなさそうに見えますが、実は地震に対して強いという考え方もあります。
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縁側部分はウッドデッキになりました。
外壁は鎧張りにしモスグリーンに塗装。
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建物左側部分、数十坪を減築しました。
この建物は施主さんの実家で、ここに住む今後の家族構成に対して家が広すぎるとのこと。
家は大きければ良いというものではないですよね。
後々のメンテ、住まい方を考慮して減築を選択したことは正解だと思います。
それでもまだ十分広いんですけどね。笑
和瓦に鎧張りの外壁、古い木造校舎のようにも見えてちょっとノスタルジックな雰囲気です。
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ウッドデッキの一部はアウターリビングのようになっています。
中でもない、外でもない曖昧な空間が心地よさを生み出します。
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昔の家は居室は狭いのに、玄関や廊下、客間はやけに広い。
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内部もガラッと変わってますが、天井は既存を塗装しただけと使えるものは再利用。
土間はタイルではなくコンクリート平板、左のシューズクロークにはレンガと、ラフな素材を組み合わせていき世界観を作り出していきます。
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玄関ホールに隣接する倉庫兼作業部屋。
サーフボードをメンテしたりする部屋ですが、透明ガラスにすることで閉塞感をなくしています。
内装仕上げにはOSBですね。
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昔はこの広い座敷に親戚などたくさん集まって、賑やかに過ごしたのでしょうか。
実家を解体する時、自分の長年住んだ家が壊れて行くのを見て寂しい気持ちになる人も多いんですよね。
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そういったこともあり、昔の住まいの面影を少し残してあげるだけでも、新たな家に愛着が湧きやすくなります。
ここでは天井の仕上げに手を加えずそのまま使ってます。
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L型キッチンにダイニングを配置する方法は、実は面積を有効活用できるんです。
最近はあまりやらない間取りですけどね。
私はけっこう好きです。
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ダイニングスペースはリビングと比べ天井低め。
所々に構造上取り除くことができない柱がありますが、空間が広いのでさほど気になりません。
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ただ広いワンフロアにするのではなく、残った柱を使って緩くスペースを仕切ってあげるとメリハリのある空間になります。
いかがでしょうか。
もしかしたら、全てを壊して一から新築するという手段もあったかもしれません。
それでも思い出の詰まった家を再度蘇らせ、新たな暮らしを始める。
そういう考え方、私は好きですね。
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