1月15日IKEA鶴浜店に男の声で「店を爆破してやる」と電話があり
客や従業員は一時的に店の外へ避難する事態となった

 
たまにニュースになるこの手の爆破予告銃
その度に人々が一斉に非難し、その施設の機能は停止する
 
 
そしてもちろん爆発はしない
 
 
日本では爆破予告をされ実際に実行された事件は
1974年の「三菱重工爆破事件」くらいしか起きていない。
すでに40年以上この手の事件は起きていないのだ。
 
それでも「これから建物を爆破する」と電話が来るたびに
企業や学校は大慌てで非難を促す
(責任問題上仕方ないのだろうが・・・)
 
 
統計学的に見るとこの手の爆破予告は無視していいものだ
 
 
しかし、そうと分かっている人でさえもきっと避難するだろう

起こりそうもない出来事(実際に爆破する)になぜ過剰に反応してしまうのか
 
それは理由がある
出来事(爆破)自体の印象や規模に重みを置いて
それが実際に起こる確率(爆破する)は無視するからだ

 
 
これは宝くじや保険にも当てはまる

 
当選確率はさておき、当選金額の大きさばかりに注目したり
大規模火災のニュースを目にすることで必要以上に火事の不安に駆られたりと
 
そして確率判断に影響を及ぼし
実際には起こりそうもないことに必要以上にコストをかける


 
事あるごとに宝くじを買ったり、保険に多額の費用をかけたりと・・・

 
しかし、物事が実際に起きるかどうかは別として
宝くじを買えば当選発表まで色々と夢を描きワクワク感を味わえる
火災保険に入っていれば火事に怯えることなく安心して穏やかに暮らせる

 
結果的には「夢」や「安心」を買っているということなのだろう


車の保険、火災保険などなど今までに支払った総額を計算してみると
その金額の大きさにきっとショックを受けるはずだ
期待値に対して不釣り合いに多い額を保険に投じていたという事実を知れば
さらにショックを受ける
保険会社がコストをカバーして利益を上げられる仕組みはここにある。




話をIKEA爆破予告に戻す
発生する可能性が極端に低いリスク(実際に爆破する)に
全員避難という保険をかけた結果、
外気温約3℃の中、1時間も客を待たせるというコストが発生した
これによって体調を崩す人がいなかったのが不幸中の幸いだった


ネットニュースでは店員が売り物の毛布などを配ったことが
称賛され、この行為だけにスポットが当たっている
たしかにこの行為自体は素晴らしい


一見合理的に見える行動も違う視点から見ると不合理だということに気付かされる