ハルビン最後の朝は大忙し | りうりー的房間

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個人的、記録的、日記的、な。

ハルビン5日目の朝。
昼の飛行機まで特に予定もないのでゆっくり起きてから荷物のパッキングをしよう、と思っていたら。



パパからこんなWechatが。
スマホの時計は日本時間のままでしたから、ハルビンでは朝の6時。
ええ、寝てました。

パパの叔父がこの地で仕事をしていて、日本の敗戦時に、遊覧観光を楽しんだあの松花江のほとりにあった収容所に捕らわれ、そして混乱の中で帰らぬままとなったとは。

なんだよー、知らなかったよー!
早く言ってよー!

慌てて着替えてホテルを出る。
直感でここと考えた旧日本総領事館へ向かうことに。
ホテルの前にいたタクシーの運転手の中から、以前も乗ったいい人だと印象的だったおじさんをみつける。

「ここに行きたい」百度地図のスマホの画面を見せる。
「50元。」
バカじゃない?

すかさず歩きながらバスでのルートを検索。
この日は土曜日。
出勤と重ならず良かった。


ハルビン、初の一人バス。
ちゃんとアプリでどのバス停、いくつ目のバス停で下車するか、いくらか全部教えてくれます。

しばらく乗っていると、雨が。
しかも結構な。

最寄りのバス停で降りて、雨を避けて地下街に入りました。
ハルビンの冬は厳しいから地下街が発達しているはず、と情報もなく駆け込んだけど、正解!
かなり近くまで地下街が伸びていました。

それでも、小間物屋で傘を買う。
そして、小走りで目的地へ向かう。

ここ!


現在は中国政府の事務所になっているため、高い門に阻まれて中を窺えませんでした。
建物は当時のもの、と後で知る。
黒塗りの車が出入りして、隙あらば守衛さんに話して外観だけでも見せてもらおう、と思ってスマホを見るふりをして木の下で雨を避けながらチャンスを待ちましたが叶いませんでした。

しかも、北朝鮮との国境近く。
すぐ近くの大連や旅順では日本人が写真を撮って政府に拘束されたというニュースもあったため、こっそり1枚だけ写真を撮ったのみ。

塀の外から大叔父を偲びました。
政府の仕事をしていた場所が、ここかどうかもわからないけど。
でも、ここのような気がする。
私の中の何かが。
近しく付き合っていた父の従姉も、この地で暮らしていたなんて。

大叔父さん、知らずにごめんなさい。
甥っ子の娘です。
ハルビンを今日たちます。


再びバスに乗り、ホテルへ戻りました。
工事中で臨時のバス停でしたが、乗る前に運転手さんにここに行くか尋ねたおかげで、
「あんた、ここで降りるんだよ!」
と声をかけてもらい、下車することができました。

一人での行動のときは、いい人ばかりに出会うんだよね😅
不思議。



ホテルからNちゃんにタクシーで送ってもらい、ハルビン空港へ。
雨は激しさを増し、長袖でも寒いという天気の中を春秋航空機は一時間遅れで上海へと出発しました。

さようなら、ハルビン。
後ろ髪を引かれる思いでした。