高カロリーだとわかっているけど、
つい手が伸びてしまう。

小さい頃、多分初めて出会ったパン屋さんというものはスーパーの中にありました。
ケーキの並ぶ冷蔵ケースもありました。
メロンのバターショートケーキがいつもあったっけ。
スーパーの入口脇にあって、
お買い物が全部終わると、
一度車に荷物を積んでからもう一度行くのです。
我が家は朝食はパンでしたが、
食パンはスーパーの中の棚に並ぶ、
メーカーの8枚切りとかでしたから、
いつも買ってもらえるわけではありません。
プラスチックのトレイとトング(それをトングと呼ぶとは知らなかった。ママもお店の人もハサミと呼んでた。)を取ると、ワクワクしたものです。
メロンパン、餡ドーナツ、ねじりドーナツ、三角のシュガートースト、そしてコーンマヨネーズパン。
覚えているのはこれだけ、つまりそれしか買ったことがなかったのでしょう。
コーンマヨネーズパンは、
少しでもコーンが多く乗ったものを真剣に選ぶのです。
底の薄いアルミに平たい生地がくっついて、お行儀悪くも歯ではがして食べました。
油でべとべとしていて、
マヨネーズの酸味が効いて、
コーンが甘くて、
どうしようもないほど美味しかった。
いつの間にかそのスーパーがなくなり、
もちろんパン屋さんもなくなり、
私は大きくなって、
電車に乗って行くことのできるずっと美味しいパン屋さんを知りました。
ママが東京に行くと新宿で買ってきてくれる、じゃがいもが丸ごと入ったフランスパンも衝撃でした。
貧乏生活をしていた大学時代は、
ヤマザキのアップルパイが昼ごはんの定番でした。
何個食べたろう?!
発展未だの中国で暮らしたときも、
甘ったるいねとねとした食パン20枚入り(!)に、高いオーストラリア産バターをちびちび塗っては食べていたものです。
今は美味しいパンを好きなだけ買えて、
美味しいパンを求めることが趣味にすらなっていますが、
コーンマヨネーズパンは変わらず美味しい。
なぜかパン屋さんで見かけることが減り、
コンビニのでも美味しい。
そのコンビニにすらなかったりしてがっかりしたり。
今日久しぶりに焼きたてを入手して、
そんなことをつらつら思い出したのでした。