友人のお店で過ごしました。
誘われたのに、早起きできなかった弟くんを置いてタクシーで田子房へ。
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小さなお店が迷路のように並ぶ田子房の外れ。
静かなエリアにあります。
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お香の先生となり、
オーナーでありながら店はスタッフに任せ、
一年の半分は青海省で香草を摘み、
現地の人と共にお香を作っています。
彼女が厳選した品々が美しく並ぶセンスの良いディスプレー。
たくさんのお香や、道具類、服や雑貨たち。
生真面目な彼女のこだわりのセレクトです。
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開店前の二階で、彼女の手製の朝ごはんを食べながら、私たちは話続けました。
お互いのこれまでの人生。
つらかったこと、楽しかったこと、
出逢い、別れ…。
私の中国語は17年前よりずっと拙い筈なのに、
彼女の言葉はすべて理解できる。
そして彼女も私が伝えたいことをすべてわかってくれる。
あの頃も、私たちはそうやって「私たち語」を操っていたのでした。
私たちは大人になり、
何もかも変わり、
でも肩を寄せ合って手を握ってお互いの目を見詰めて相手の心に寄り添うやり方は、
まったく変わらない。
今がいつなのか、
ちょっと混乱しながら…。
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彼女が何かにすがるようにたどり着いたこの生き方の一部を、私のために披露してくれました。
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雲の形は彼女のお店の名。
「香雲」。
私たちは雲のように、
流れたり吹きちぎられたりしながらここにたどり着いたような気がしました。
私たちのそれぞれの生き方。
マレーシア華僑である彼女と私が、
20代の始めに広い中国の西の古い都で出逢い、
今またこうして変わり続ける大都会上海で同じ時間を過ごしていることの不思議を思うと、
神様はいると素直に思えるのです。
弟くんは私たち二人の時間を作ってくれたんだな、きっと。
言わないけど、私も。
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