たまたまつけたテレビは、
「プロフェッショナル・仕事の流儀」。
中国で躍進するイトーヨーカドーの、
統括マネージャーの姿を追うものだった。
春節へ向けての商戦に、
挽回を期して店舗を回り、社員を叱咤激励する苦労が映し出される。
秀逸な番組であることは今回も同じなのだが、私が目を奪われたのは、別のものだ。
そのマネージャーの本拠地は四川省成都市。
私が住んでいた彼の地を離れて一年後に1号店ができた。
伊藤洋華堂。
その開店準備に在住していた伊藤忠の社員とは、四川大学の語学クラスで席を並べた。
午前はクラスに、午後は仕事の彼が眩しく思えた。
驚いたのは、店の脇に建設中の巨大な高架路と店に溢れる人びとの身綺麗な姿、そして日本のスーパーマーケットと全く変わらない食品売場の豊かな光景だ。
開店当時、成都に残って留学を続けていた弟くんは、焼きたてのあんパンが1元で、
パック詰めされた肉や魚が手に入る喜びにうち震えたと伝えてきた。
恩恵に預り損ねた私は歯噛みする思いだった。
レモン一つ、タバスコ一瓶を街中の市場を一日自転車で回って探した。
焼きたてのパン、納豆、刺身、どれも夢にも手にできなかった。
伊藤洋華堂の中国における功績は大きい。
日本式のサービス、小売業の形態。
いまや中国は変わった。
グローバルスタンダードの中、
反日のあおりを受け苦しむ日本の在中国企業の健闘を祈る。
頑張れ、弟くん。
Android携帯からの投稿