おばあちゃんは92歳。
まだまだ元気、と言いたいところですが、
会いに行くたびに少しずつ命の火が弱まっていくような気がするのは本当のこと。
ケーキとお花を贈りました。
うっすらとピンクがかった、清楚な蘭はおばあちゃんのイメージにぴったりです。
おばあちゃんはいつものように、
「そのお洋服、素敵ね。あなたに良く似合うわ。」
と私の着ているものやアクセサリーをほめてくれます。
そのたびに私は、とても嬉しくなります。
ただ、ベッドの横で、いつものようにお話をするのですが、
話をするのはおっくうなのかな、と感じたのは、今回が初めて。
おばあちゃんが今日までここにいてくれることは、
奇跡に近いことなのだけれど、
でも、もっともっと笑顔を見ていたい。
一方で、日がなベッドに横たわって、
世話をしてくれるおばちゃんくらいしか話し相手もいない中、
おばあちゃんは何を思って暮らしているのだろう。
もっと近くに住んでいれば、という気持ちばかりが大きくなります。
お家は建て替えてしまったけれど、
私がこの家で生まれたときから変わらない、大谷石の塀。
娘であるママは何も言わないけれど、
おばあちゃんの変化は誰よりも気付いているはず。
おじいちゃん、もう少し、おばあちゃんとママに母娘の時間をとっておいてくださいね。