重い扉を開けて、思わず声を上げた。
調度品はアンティークにしつらえてある。
ベッドの奥はクローゼット、手前はミニバーである。
どちらも大きい。
時計もレトロなデザインのもの。
私の好みのパープルが、随所に使われている。
大型テレビの下は、フェイクの暖炉。
ベッドの上には、ランドリーサービスの案内と、ウェルカムカード、チョコレートが用意されていた。
ティーテーブルには、フルーツもある。
古い木箱の中には、文具が詰まっている。
セロテープ、ホチキス、裁縫セット、そして付箋まで。
これほどの充実ぶりは初めて。
すっぽり包まれる座りごこちの良い大きな椅子に座って、
このホテルを選んだことに満足していた。