スモールエンティティ、マイクロエンティティに関する FAQ です。
目次
注)各エンティティに適合するかどうかの判断は、ケースバイケースでリサーチが必要になる場合があります。判断に迷う場合には、出願を依頼されている米国代理人に相談されることをお勧めいたします。
Q: スモールエンティティの要件は?
A: 個人、従業員500人以下の中小企業、または非営利団体。
但し、出願にかかる発明を、スモールエンティティに該当しない者に譲渡したりライセンスする義務を有しないこと。
規則の日本特許庁による和訳は以下の通り。最新の情報は原文 (MPEP 509.02) を参照のこと。
37 C.F.R. 1.27
(a) 小規模事業体 (Small Entity) の定義本章において使用されるときは,「小規模事業体」とは,本条(a)(1)から(a)(3)までに基づく当事者(人,小規模事業体又は非営利団体)をいう。(1) 人本条(c)において使用されているときの「人」とは,発明者又は他の個人(例えば,発明者が その発明に関する何らかの権利を譲渡した者)であって,発明に関する如何なる権利も譲渡,譲与,移転又はライセンスしておらず,かつ,契約上又は法律上,譲渡,譲与,移転又 はライセンスする義務を負っていない者をいう。・・・(2) 小規模事業体本条(c)において使用されているときの「小規模事業体」とは,次の事業体をいう。(i) 発明に関する権利を,人,小規模事業体若しくは非営利団体としての小規模事業体の 資格を有していない人,事業体若しくは団体に対し,譲渡,譲与,移転若しくはライセンスしていないもの,又は契約上若しくは法律上,譲渡,譲与,移転又はライセンスする義 務を負っていないものであって,かつ(ii) 特許手数料の減額適用を受けるための,13 C.F.R. 第121.801条から第121.805条までに規定される規模基準に適合しているもの。・・・(3) 非営利団体本条(c)において使用されているときの「非営利団体」とは,次の非営利団体をいう。(i) 発明に関する権利を,人,小規模事業体又は非営利団体としての資格を有していない 人,事業体又は団体に対し,譲渡,譲与,移転若しくはライセンスしていないもの,又は 契約上若しくは法律上,譲渡,譲与,移転又はライセンスする義務を負っていないものであって,かつ (ii) 次の何れかに該当しているもの(A) 何れの国に所在する,大学その他の高等教育機関(B) 1986年内国歳入法第501条(c)(3)(26 U.S.C.第501条(c)(3))に記載されており,内 国歳入法第501条(a)(26 U.S.C.第501条(a))に基づく課税免除を受けている種類の団体・・・
Q: スモールエンティティとして手続するために出願人が用意すべき書類は?
A: 特になし
スモールエンティティであることの主張は、Application Data Sheet (ADS、願書)上のチェックマークや、スモールエンティティフィーの支払いを通じて自動的になされる。すなわち現地代理人による出願手続きを通じて適宜処理されるため、出願人側で特別な作業は不要
Q: マイクロエンティティの要件は?
A: 総収入基準による要件(1)と、米国の高等教育機関による要件(2)と、2つが存在する。
(1) 総収入基準による要件
- スモールエンティティの要件を満たす
- 発明者が過去に出願した特許出願が 4 以下
- 年間の総収入要件を満たす(国勢調査の結果に応じて年ごとに変動、2023年は $212,352)
- 本発明を、当該総収入要件を満たさない者に譲渡したりライセンスする義務を有しない
規則の日本特許庁による和訳は以下の通り。最新の情報は原文 (MPEP 509.04(a)) を参照のこと。
37 C.F.R. 1.29
(a) 本条に基づいて微小事業体 (Micro Entity) としての地位を設定するためには,出願人は下記事項について証明しなければならない。(1) 出願人は,§1.27(a)(4)に基づく連邦機関の使用ライセンスの例外に依拠することなく,§1.27に定義されている小規模事業体として適格であること(2) 出願人,発明者,共同発明者の何れも,外国においてされた出願,特許法第111条(b)に 基づく仮出願又は特許法第41条(a)に基づく国内基本手数料が納付されていない国際出願を除き,先にされた特許出願であって,4件を超えるものにおいて発明者又は共同発明者とし て記名されていないこと(3) 出願人,発明者又は共同発明者の何れも,該当する手数料を納付しようとしている暦年の前暦年において,1986年内国歳入法第61条(a)(26 U.S.C. 第61条(a))によって定義される 総所得であって,国勢調査庁によって最新に報告された,前暦年における中間世帯所得の3倍を超えるものを有していなかったこと(4) 出願人,発明者又は共同発明者の何れも,該当する手数料を納付しようとしている暦年の前歴年において,1986年国内歳入法第61条(a)によって定義される総所得であって,国勢 調査庁によって最新に報告された,前暦年における中間世帯所得の3倍を超えるものを有す る事業体に,その出願に関するライセンス又は所有権権益を譲渡,譲与又は移転しておらず,また,契約若しくは法により,譲渡,譲与若しくは移転する義務を負っていないこと
(2) 高等教育機関の要件
- スモールエンティティの要件を満たす
- 出願人が特定の高等教育機関(州立大学、私立大学、コミュニティカレッジ、ロースクール等)に雇用されているか、あるいは、出願人が発明を上記機関に譲渡したりライセンスする義務を有している
規則の日本特許庁による和訳は以下の通り。最新の情報は原文 (MPEP 509.04(b)) を参照のこと。
37 C.F.R. 1.29
(d) 本条に基づいて微小事業体の地位を設定するためには,出願人は下記事項を証明しなければならない。
(1) 出願人は,§1.27(a)(4)に基づく連邦機関の使用ライセンスの例外に依拠することな く,§1.27に定義されている小規模事業体として適格であること
(2) (i) 出願人が得る所得の大部分を支払う当該出願人の雇用者が,1965年高等教育法第101 条(a)(20 U.S.C. 第1001条(a))において定義されている高等教育機関であること,又は
(ii) 出願人がその特定の出願に関するライセンスその他の所有権権益を当該高等教育機関に対して,既に譲渡,譲与若しくは移転しているか,又は契約若しくは法により,譲渡,譲与若しくは移転する義務を負っていること
Q: マイクロエンティティとして手続するために出願人が用意すべき書類は?
A: 特になし
スモールの場合と異なり、要件に応じたフォームの提出 (SB/15A or SB/15B) と署名が必要だが、代理人が署名可 (MPEP 509.04(c))。