どんどん忘れてく
どんどん過去になっていく
それが悲しい。
あんなに、
将来ついて話し合ったのに。
俺達は、戦友だって
最強の相棒だって
これから、楽しい事いっぱいあったのに
これから、いっぱい遊べたのに
やっと、ここまで来たのに。
俺達、よくやったなって
よく頑張ったなって
嫁さんに出会えて良かったよって
本当にありがとうって言ってたのにな。
楽しい事いっぱい我慢して
頑張って頑張って
ここまで来たのに。
なんで
今、一緒に居られないんだよ。
そして、どんどん忘れていく。
楽しかった日常の事がどんどん薄れていく。
料理を作る音。
一方的に話しかけてくる声。
子どもとふざけてる姿。
仕事の愚痴を言ってスッキリしてる君。
俺に怒る顔。
俺の事、時々だけど
格好良いって言う君。
全部、身近にあったのに。
感じられる距離に居たのに。
どんどん忘れていく。
それが、悲しい。
すぐそこに居たのに。
これからの人生どうやって生きて行くって、楽しく作戦会議するのが本当に好きだった。
俺達なら何でも出来るって。
俺に付いて来たら絶対に楽しいって。
二人だったら何でも笑えるって、
言ってたのにな。
田舎の中のド田舎の貧乏出身の俺と
田舎の中のスラム出身の娘が結婚して、
やっと、ここまで来たぞって、
やっと、脱出したなって、
そして、このまま行けば
もっと楽しくなるぞって。
俺は、この話しが大好きだった。
何回もして、
何回も笑って、
その度に頑張る元気が出て、
いつも自分と嫁さんを誇らしく思ってた。
そして、
子どもを立派に育てようなって、
誓ってたのにな。
これからどうすりゃ良いんだよ。
あんなに欲しがってたのに、
嫁さんの為に建てたのに、
あなたが居なけりゃ意味無いでしょ。
俺と子どもだけで住んでも意味無いよ。
俺と子どもだけじゃデカ過ぎるよ。
こんなに面白い家を建てたのに。
俺達らしいねって、
面白いねって言ってたのに。
意味無いじゃん。
意味無い。
意味無いよ。
楽しく無いよ。
最悪だよ。
これからどうすりゃ良いんだよ。
良い事一個も無いよ。
会って話しがしたいよ。