パストライブス/再会(Past Lives)

2023年アメリカ・韓国の合作映画

106分

(少しネタバレになってしまっていると思うので、ネタバレOKな方だけ読んでください)


○ストーリー

12歳小学生時代。仲良しだったナヨン(グレタ・リー)とヘソン(ユ・テオ)。2人とも頭がよく成績を競う仲。ナヨンの家族は映画監督の父(チェウォニョン)と画家の母(ユンジヘ)と妹の4人家族。

ある時ナヨンの一家はカナダへ移民することになる。そして、ヘソンとナヨンは離れ離れになる。


時は流れ12年後の24歳。

除隊したヘソンとNYで作家として働くノラ(ナヨン)。

ナヨンはノラと名前を変えていた。

ある日ノラはFacebookでヘソンを見つける。

ヘソンはノラのことを探していた。

2人はメッセージで再会し、Skypeで連絡を取り合う仲に。

だが、ノラは自分の人生の為連絡を絶ちたいとヘソンに伝える。

その後ノラはアーサー(ジョン・マガロ)という男性に出会い、付き合う様になる。

ヘソンもまた留学先の中国である女性と出会う。


さらに12年の月日が流れ

アーサーと結婚し幸せに暮らしているノラ。

一方のヘソンは彼女と別れ休暇でノラの住むNYを訪れる。

2人は再会することとなるが…。


○キャスト

ノラ(ナヨン)役 グレタ・リー

子供の頃、映画監督の父と母を追ってカナダに移民した女性で、妹がいる。24年後の時点ではアメリカに永住権を得た。


ヘソン役 ユ・テオ

ナヨンの幼なじみ。ナヨンが移民する前、一緒に公園で時間を過ごす。軍隊にいる時、行軍途中、彼女を思い出して除隊後にナヨンを探すことになる。ナヨンと連絡が届く時にはインソウル大学の工大生だった。


アーサー役 ジョン・マガロ

ノラが作家レジデンスに泊まることになった時に出会った男性。ジョン・マガロは妻が韓国系アメリカ人なのでアーサー役のキャスティングに積極的だったという。


○感想

アメリカ・韓国の合作映画となっていますが、かなり韓国的な作品になっていました。

まずメインキャストしか知らずに行ったので

ノラ(ナヨン)の父親役でチェウォニョンさん

母親役でユンジヘさん

が出てきてテンション上がりました。


幼い頃に出会った2人は(ナヨン(ノラ)役のムンスンアちゃんとヘソン役のイムスンミンくん)

離れ離れになり、20代でネットを通じてやり取りするも互いの生活があるというのもあり上手くいかず、30代で再会した時にはノラには旦那がいた。

1番凄いのはノラの旦那アーサーだと思う。

初恋の相手に会うことを寂しくも思っているけど、会うことを許してしかも3人でも会っちゃうって。

こんな理解のある人ってこの世にいるのかなぁ…なんて思いながら観ていました。


韓国的だなと思ったのはイニョン(縁)という言葉がよく出てきた所。

前世で会っているから現世でも縁がある。

現世では結ばれなかったけど来世では…

みたいな感じで。

映画のタイトルが前世を意味するとのことなので、この作品のテーマがイニョンなんだと思います。

どの作品でもそうですが、女性の方が現実的で、男性の方が夢みがちな様に感じることが多いです。






映像の撮り方とか、ゆっくり流れる感じの空気感は良かったです。

ユテオさんは英語ペラペラなのに役柄的に拙い英語で喋っていて、そこが可愛くみえました。

ユテオさん好きなので、この映画を観に行けて良かったです。

だけどキャラ的にはヘソン<アーサーでした。

ヘソンのことを心から愛していて、信頼していて。

こんなふうに懐の深い人間に私もなりたいです。


ヘソンが中国で出会う女性がファンスンオンさん


ヘソンの友人役でチャンギハさんも出てました。


叶わないからこそ心に綺麗なままで残る

夢や憧れは見ている時が1番幸せな様な気がします。

手に入れてしまうと現実になってしまうから。

そんな様なことをこの作品を見て改めて思ったのでした。




しっとりと心に残る様な、素敵な作品です。