【2024.05.11】
晴天予報が出た週末土曜日、前週のGWの負け組から這い上がってやろう！という意気込みで北アへ向かった。
何しろGWは白馬山行を予定するも悪天で中止になり、北アのテント泊山行を狙うも体調不良でこれまた中止になりと、散々な目にあったので、今度こそと鼻息を荒げ長野へ向かったのだった。
今回狙うのは常念岳。
三脵登山口から登ればもう殆ど雪はなくアイゼン履かずに山頂まで行けるらしいのだ。
ようはこの時期の北アの中で最もお手軽な山を選んだって訳だ。
楽して負け組から這いあがろう北アの絶景を戴いちゃおうという魂胆。
もうジジイだからね、こういう頑張らない登山でいいのだ。
登山の際の最初の難関は現地までの長距離移動。
この長距離運転が最近は苦手でしょうがない。
リタイアジジイは金は無いが時間はたっぷりあるので、有り余る時間を有効活用してこの問題を何とかしようと考えた。
前日の昼間のうちにゆっくり三脵まで移動し、翌日は登山を楽しみ、家に帰るのは更に翌日、という贅沢な時間の使い方で攻めてみることに。
結果からいうと、いくらのんびり時間かけたところで片道340kmの運転距離が減るわけではなく、思ったほど効果は得られず、疲れるものは疲れる！ 残念！
まあ、前日の早い時間に現地入りできたので、睡眠時間がたっぷり確保できたのは良かった点ではあるが。
金曜の夜は三脵登山口の駐車場で車中泊。
翌朝は3時過ぎに起きて4時半に登山スタート。
この日は一日中快晴予報なので、そこまで早いスタートじゃなくても良かったのだが、まあジジイですからね、普通に3時にはトイレ行きたくなって目が覚めますわな。
早く上がった分、山頂でのんびりしようと思い、おやつを沢山ザックに詰め込んだ。
他の登山者に抜かれまくりながら前常念までやってきた。
ここまで来ると前穂北尾根がよく見える。
北尾根に手を合わせてチビさんにご挨拶。
ここまでは順調。
一休みした後、常念山頂を目指して更に登り進んだ。
予報通り天気も良く快適登山。これならGW負け組みの汚名返上も間違いなし！
♪常念、常念、Jo Jo Jo 常念〜♪ などと、訳のわからぬ歌を歌いながら気分よく登り進んだ。
青い空をバックに残雪の山々が美しい。
8時20分に山頂に到達。
屏風のように広がる残雪の北アの景色は、何度見ても素晴らしい！ 期待通りの景色。だが、なぜかいつもの「おおっ！」っていう感動がない。
今回常念に登るために、事前に雪の状況などをSNSで色々と調べた。
常念のようなメジャーな山はレボが沢山あがるので、山の状況を知る上ではとても助かる。
その反面、沢山のレボの写真を見過ぎでしまい、山頂からの景色が既にインプットされてしまっているのだ。
今までに常念には何度も登っており、そこに更にSNSでインプットされた現在の北アの景色が加わったため、実際に目にしても「ああ、写真で見たのと同じ」くらいにしか思えなかったのだ。
下調べは重要だけど、調べた分だけ冒険的要素は薄まる
風を避けられる岩陰に腰を下ろして一休み。ポカポカと暖かくて気持ちがいい。雷鳥が目の前をビュンと飛んでいく。感動がないなんて贅沢なこと言ってないで、この絶景を眺めながらのんびりしよう。天気はいいし、時間も余裕があるので2、3時間は山頂に居られる。そのつもりで今日はチョコだのナッツだのスイーツだの、色々持ってきたのだ。
早速おやつをポリポリ食べ始めた。だが、ここでちょいと異変が。頭が痛くなってきたのだ。
まずい、高山病だ。
山頂到達時に少し痛みを感じていたのだが、ここにきてズキズキと痛みが本格化してきた。
久しぶりに2800mを超えた時はよくこうなる。
鎮痛剤を飲んでしばらく様子を見るも、頭痛は酷くなるばかり。
こうなると解決手段はただ一つ、下山するしかないのだ。
朝イチで上がってきて時間はたっぷりあるっていうのに、早くも下山とか、無いわー！マジかよー！まだ9時前だってーのに〜！
などといくらあがいたところで頭痛は治らず、下山決定！残念！
とりあえず、前常念まで下って様子を見ることに。
前常念はここより200mほど標高が低いので、もしかしたら頭痛が治るかもしれないと思ったのだ。
下山前にもう一度北アの景色をぐるりと眺めた。この景色を見て「感動がない」なんてほざいたバチが当たったのかぁ？ （←間違いねー！）
山頂の祠の前で
「生意気なこと言って申し訳ありません。どうかお許しを」
と頭を下げて下山を始めた。
前常念まで下るも山の神の許しは得られず、それどころか益々痛みが増してきた。
この辛さから逃れたく、麓への下山を決意。半べそかきながら下っていったのだった。
何でこうなるんだ？
どうも最近、山との相性が良くない。
リタイアしたので山に行く時間がたっぷりあるっていうのに、この分じゃ山が嫌いになりそう。
などとブツブツ文句言いながらひたすら下り、無事登山口に下山。
頭痛はだいぶ治ったが、まだ少し痛みが残っていた。
時計を見れば、まだ12時にもなっていない！
苦労して運転してここまでやって来て、頑張って標高差1600mを登り、山頂に達したと思ったら高山病になり即下山。今回の北ア山行、午前中のうちにあっさり終わりましたとさ。
あ～残念無念の常念岳！
今回の常念登山は何だったのか？
快晴の山頂に立てたのに、負け組みから脱した気がしないのはどーいうこと？
などと、もやーっとした気持ちに包まれつつ、温泉入って飯食って長野を後にした。
予定では帰るのは翌日だったが、流石にこれだけ早く下山してしまうと、途中で仮眠しながらでも当日中に帰れてしまう。
グッタリ疲れ果て家に辿り着くと、可愛いニャンズが待っていて、モヤーっとした気持ちを吹き飛ばしてくれるのだった。
あれ？お父さんもう帰ってきたの？もしかしてまた負け？
最近、いい山行出来てないなぁ・・・
お次は、いずこの山へ