前回までのあらすじはここ
グリンダ「いやはやたまげましたよ。テルーさんのそれ、かなりの業物なんですけどね~」
アルアス「感心してる場合じゃねえよグリさん?とりあえずテルーは下がりな、武器が無いんじゃどうしようもないからな」
テルー「・・・はい」
プライドもろとも愛刀を折られたテルーは、アルアスの言葉に思い出したように立ち上がり撤退していく。渾身の一撃を拳1つで砕かれたショックからか足取りはふらふらと危なっかしい。自分では役に立てないという無力感だけがテルーの体を動かしていた。
アルアス「可愛いお弟子さんのフォローはしないのかい?」
グリンダ「あの程度で折れるような人を弟子にした覚えはありませんので。それに」
ヒューナル「話は済んだか?済んだな?」
拳をぶつけあいながら、ヒューナルが今にもとびかかる構えを見せる。
グリンダ「この相手を前に、そんなことに気を回すなんてもったいないでしょう?」
アルアス「さいですか(´・ω・`)」
やる気、いや殺る気に満ち満ちたグリンダと対照的にアルアスは冷静にテルーの穴を埋める算段を立てていく。
アルアス「悪いがヒューナルさんもうもうちょっと待ってな。・・・すずさん、救援の到着はどのくらいかかる?」
すず「何故か拠点の外にいたからもう着くはずだよ。あ、負傷に関しては心配しないで。何故か拠点外をうろついてた後方支援班の蓮牙君やマリーちゃんが治療してくれたってさ(#^ω^)」
アルアス「OK誰が来るかは察した、テルーの穴は十分埋められそうだな」
ヒューナル「話は済んd」
グリンダ「アルアスさん話長いですよ、こんな上客をお待たせしてはいけません」
アルアス「すずさん緊急事態だ、ヒューナルが1人増えてる」
すず「もう勝手に遊ばせとけばいいよ、怪我して大人しくなれば最高だね。 とにかく30分くらい足止めしてくれれば」
??「中々苦戦中だとか。ただグリさんは健在のようで何よりです。気合入れて撮影させていただきますよ」
1人がリタイアした苦しい状況、だが最高のショーを追い求めるこの男にとってそれは何よりのモチベーションである。
アルアス「来たなイデさん、どう突っ込めばいいんだ?すずさん指示を」
すず「いや突っ込んでる場合じゃないから・・・。とにかく、ヒューナルの攻撃力は底知れないよ。前衛の2人は特に慎重に立ち回って。アルアスさんも調子こいて攻撃しすぎないように」
3人「「了解」」
すずの指示に3人が応じたところで、3度目の正直とばかりにヒューナルが声をかける。非常に律儀、レアアイテムを持っていると知った瞬間狩りつくすアークスよりよほど倫理観があるのではなかろうか。
ヒューナル「もう良いな?」
アルアス「ああ、話も終わったしもう帰っていいぞ?」
ヒューナル「・・・その減らず口から潰してやろう」
イデ「何グリさんからヘイトはがしてるんですかこのポンコツ!」
グリンダ「待ってくださいヒューナルさん、アルアスさんは弱っちくてつまらないので私たちと戦りましょう?」
アルアス「味方はどこに行ったんだよぉ!!」
アルアスの悲鳴をゴングに、第2ラウンドが開始される。
グリンダの神刀スサノオがヒューナルを牽制し、後方からアルアスが援護射撃、遊撃役のイデが隙を見て飛び込みコアを狙う。先ほどの奇襲とはうって変わって堅実な立ち回りで、3人はヒューナルと渡り合う。
とはいえ、別に時間稼ぎがしたくてこの戦法を取ったわけではない。
グリンダ「下手に飛び込むと即死しかねませんね~、怖い怖い」
イデ「遊撃役で良かった・・・カメラを構える余裕ができるのはありがたい」
アルアス「・・・すずさん、30分持たねえかもしれねえぞ。あの2人がいてやっと五分だ。あとイデさん真面目にやってくれ撃つぞマジで」
すず「分かった、第3基地に報告しとくね。あとイデさん・・・帰還後カメラ没収するよ?」
ヒューナルの圧倒的な戦闘力を前に、この3人をもってしてもなお「とりあえず負けない」ことを優先するほかなかったのだ。
―――――同時刻、第3基地――――
深紫華「間もなく15分経過します。AIS4機目、出撃準備はいいですか?」
アークスC「いつでも行けます!」
心に伸びてくる怯えの影を燃え盛る意志で抑えつけ、隊員は力強く返答する。
深紫華「出撃後、小型、中型ダーカーの殲滅をお願いします。・・・すずさん、どうしました?」
すず「第2基地での足止めだけど、目標より短くなっちゃうかもしれないんだ。第3基地の処理を前倒しできないかな?」
深紫華「分かりました、大型の中で最も弱ったものを一気に片付けます。・・・AISに乗っていない=生身全員に通達、ファルス・アームの反応の弱体化を確認しました。拠点の防衛は2機のAISに任せ、ファルス・アームに一気にとどめを刺してください。ビブラスユガの担当のAISはそのまま戦闘を続行、代わりのAISが来るまで粘ってください。」
生身一同「「了解!」」
状況の変化にも深紫華は冷静、大胆に指示を飛ばす。その姿にすずは安心感を覚えつつ、すずは背後にやってきた人物に声をかける。
すず「おかえり、無事でよかったよテルーさん。流石に相手が悪かったね」
テルー「すみません・・・」
テルーだった。ただでさえ華奢な体はいつもの威勢を失ってなおさら小さく、儚く見える。
深紫華「落ち込んでる暇はありませんよ、まだ戦闘には参加してもらいます」
テルー「でも、武器が・・・」
深紫華「武器が無くても貢献できることはあるでしょう?」
すず「AIS?テルーさんは操作の講習受けてないよ?」
深紫華「分かっています。ですから操作のマニュアルを作成しておきました(ピコン」
深紫華が映し出したのは、AISのコックピット内の操作と、実際にAISが動く様子だった。
すず「これ、あれだけの指示を出しながら作ってたわけ?」
深紫華「今後必要になるでしょうから。名付けて、『ラッピーでも分かる!AIS講座』です( ・´ー・`)」
すず「そのネーミングセンスを理解するのはラッピーには難しいかな・・・。でもこれならすぐに動かせるようになるね。テルーさn、っと。邪魔しちゃ悪いか」
テルー「右の操縦桿を前後左右に傾けて移動、操縦桿の引き金を引いてバルカン、左のボタンを押してブレード、右足のペダルを踏み込んでブースト移動、左足のペダルを踏み込んで武装シフト、シフトした状態はバルカン=グレネード、ブレード=フォトンラッシュ・・・右の操縦桿を」
テルーは画面を食い入るように見つめ、既にAISに乗った際のシミュレーションを始めている。「戦って勝ちたい」がテルーの基本的な思考回路だ。武器が無くとも戦えることが分かった今、テルーの頭にはいかにAISを使って勝つか、ということに切り替わっている。
深紫華「凄い集中力ですね・・・テルーさんは良くも悪くも単純と、覚えておきます」
すず「流石はグリさんの弟子だね。戦闘大好き、センスも抜群。このまま実力だけ伸びてくれると嬉しいんだけど」
深紫華「・・・グリさんにベタ惚れみたいですし、悲しいですが”ああ”なるんじゃないですか?あ、皆さんファルス・アームの状態は?」
アークスB「撃破成功しました。しかしAISの残り時間があと2分程度です、増援を!」
深紫華「奮闘に感謝します。追加はトンテキさん他2名。トンテキさんが小型、中型の群れの掃討、あとの2名はビブラスユガを早急に沈めてください」
トンテキ「たつひとさん、雑魚掃除は引き継ぎますよ。お疲れ様でした!」
たつひと「お願いします。生身での貢献には少々自信が無いですがね」
深紫華の指示で、3人がAISに搭乗する。同時に初めに搭乗した3機が活動限界を迎える。
アークスA「AISから降りました。これより正結晶回収に、うわっ!?」
アークスB「瘴気の壁・・・?これでは移動に支障がでます!」
戦場を区切るように真ん中、そして正結晶の回収を阻むように四隅に赤黒い壁が出現する。
深紫華「ダーカーウォールとでも名付けましょうか。たつひとさん、ダーカーウォール=壁の破壊をお願いします。生身で大活躍ですね」
たつひと「いえ別に酷使されたいってわけではないんですよ!?」
たつひとは壁にWBを貼り、壁と平行になるようにエンドアトラクトを放つ。特大の弾丸を放つこのPAは、複数ヒットする相手にとてつもない威力を発揮する。
たった2射で壁を破壊して移動をスムーズにしたたつひとは、さらに四隅の壁も破壊していく。
深紫華「たつひとさんは壁の破壊後、ビブラスユガにWBを貼って援護をお願いします。また、爆弾に備えて各拠点に1名ずついるように。残りの生身3人は結晶を集めることに専念してください」
深紫華の指示で、布陣が目まぐるしく入れ替わっていく。全員持てる力を出し切り、敵から拠点を防衛する。
生き残るため、漕ぎ手は箱舟を必死に操って均衡を保つ。
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あ と が き
両方を詰め込んだ結果両方とも話がほぼ進まないというね(知ってた)
本格的にネタが切れてきました、終わらせ方も決めてないしどうしましょう←
ひとまずヒューナルさんには次回で第2基地を突破してもらいましょうかね・・・引っ張りすぎても良いことないですし。
何だか投げ出したくなってきましたが(私の人生いつもこう・・・)、いつもと違って書けないだけ、書きたくないわけじゃないので何とか最後まで書き切りたいと思います。今までは急に興味をなくしてポーイだったので、今回は何とかできる・・・はず!!()