唐突な前回までのあらすじ
7月も半ばを過ぎたある日、大量のダーカーが惑星リリーパに出現、採掘拠点へと侵攻を開始した。これに対し、アークス側は迅速に迎撃隊を編成、第1~第3基地にかけての大規模な防衛線を敷いて対抗する。
緒戦、第1基地ではアルアスの的確な指示、救援の雪雛の奮闘、EMIと文月のポエム法撃力を合わせたフォメルギオンなどでダーカーに甚大な被害を与えることに成功する。
第2基地ではイデとグリンダの2人を軸にアークス側が優勢を維持し、ダーク・ビブラスをも危なげなく処理する。しかし、【禍王】ファルス・ヒューナルを筆頭に想定外の強力な反応が多数出現し第2基地は陥落。大量のダーカーが第3基地へとなだれ込んだ。
第2基地が陥落しショックを隠し切れない第3基地の隊員達の崩れかけた心を立て直したのは、誰よりも臆病だったはずの雪雛だった。
―――理想を語るなかれ その身を以て理想となれ―――
全員が不退転の覚悟を決め、フォトンの青い輝きと共にAISが出陣する。
→第8回
今回は、第2基地でファルス・ヒューナルを足止めすることとなった3人の死闘のお話。
主な登場人物:
テルー・・・主人公の美少女。若手アークス屈指の戦闘力を誇る脳筋。グリンダにメロメロ。
グリンダ・・・ヒロインテルーの師匠。本SSのアークスで最強の男の娘(26)。
アルアス・・・精密射撃と確かな戦術眼を持つRaで両剣使い(意味深)。自称ノンケ。
↓ではどうぞ
すず「Brの2人が前衛で足止め、アルアスさんは援護射撃をお願いね」
司令官のすずは、死地へ飛び込んだ3人へ指示を出す。
すず「最後に。・・・死ぬくらいなら逃げて」
テルー「勝つから問題なし、ってね!」
グリンダ「私が負けることをお考えで?」
アルアス「言われずともそうすルーサー」←お前見た目ハギトだろとか言わない
三者三様に指示に応え、ヒューナルを見やる。ヒューナルは、静かに3人が戦闘態勢を整えるのを待っていた。
グリンダ「敵が万全になるまで悠長に待つなど、随分と甘ったるい考えをお持ちのようで」
最も好戦的なグリンダがヒューナルを挑発するが、ヒューナルは気にするでもなく返答する。
ヒューナル「わざわざ我の真正面に身を晒してくれたのだ、不意打ちで決めるのも興覚めであr」
テルー「なら思いっきり興ざめさせてあげるわね」
グリンダ「賛成多数で奇襲決行ですね」
アルアス「えっ」
テルーが突如カタナを抜き放ち、ハトウリンドウでヒューナルを狙う。
ヒューナル「・・・仕置きがいるな小娘ども」
ヒューナルは回避せず肩から突っ込み、ハトウリンドウを弾き飛ばしてテルーへと迫る。
グリンダ「私は小娘じゃありませんよ~」
そこへ、ハトウリンドウの波に紛れて接近したグリンダがサクラエンドをヒューナルの顔に向けて放つ。
テルー「くたばれぇえ!」
顔へ痛撃を貰い流石にのけ反ったヒューナルに、花も恥じらう年頃の乙女にあるまじき暴言と共にテルーがシュンカシュンランで突っ込む!
ヒューナル「ヌオアア!!!」
雄叫びと共にヒューナルは拳を向かってくる刀身に叩きつける。防御を良しとせず敵の攻撃には常に攻撃を以て応じる、ヒューナルらしい選択。
カタナと拳がぶつかり、一瞬の均衡の後カタナが拳に深々と突き刺さる。
テルー「捕まえ、っとと。暴れないで、暴れないでよ!」
ヒューナル「離さんか―――」
グリンダ「テルーさん離しちゃだめですよー?私も手伝いますから頑張ってくださいな」
もう片方の腕でテルーを振りほどこうと暴れるヒューナルに、グリンダのカザンナデシコが振り下ろされる。若干テルーに掠っているがグリンダだから仕方ない
テルー「アルアスさん、お願い!あなたは私を巻き込まないでね!?」
アルアス「勝手に突っ込んだ挙句無茶なワガママ言うなよ、俺だから聞いてやれるけどな?」
腰を落とし、狙いをつけるアルアスのアサルトライフルからウィークバレットが射出され、ヒューナルの頭部に命中する。
アルアス「さて、チャージ完了だ。月に代わってお仕置きよ♡」
むしろ月にお仕置きされそうなほど罰当たりなアルアスの言葉を合図に、
砂漠の澄み切った夜空からスポットライトが照らされる。
ピッピッピ・・・ バシュゥゥウウウ
轟音とともに、スポットライトの中を波動が走り抜けヒューナルへと殺到する。テルーが攻撃の余波で吹き飛ばされ、3mほど離れていたグリンダの髪をなびかせるほどの威力、さらにRaのスキル ウィークヒットアドバンス、ウィークバレットも相まった正しく必殺の一撃は、ヒューナルの頭部を豆腐のように押し潰してみせた。
テルー「巻き込まないでって言ったのに」
アルアス「目標近かったからね、仕方ないね。他の奴なら間違いなくお前さんの頭もぺしゃんこだったぞ?」
グリンダ「腕利きとの共闘はいいものですねえ、皆さんお見事でした」
すず「3人とも、おしゃべりストップ。こんなこと言いたくないし、私も信じたくないけど、まだヒューナルの反応が消えてないの」
すずの言葉で3人が振り返る。
サテライトカノンの直撃を食らったヒューナルの体は、頭1つ分身長が低くなっているがまだ立っており、体から瘴気を吐き出し続けていた。その量たるやフォトン適性に優れるこの3人が圧迫感を覚えるほど。
すず「これは・・・多分ダーカー版のスケープドールだね」
アルアス「え、復活するの?あの傷で?」
すず「この膨大な瘴気なら、不可能じゃないと思う。復活というか、再生だけどね」
グリンダ「良いじゃないですか、ご本人もまだ戦いたいでしょうし。私としても正面から倒したいですしね」
テルー「脈絡もない実は生きてましたーな展開は萎えるからやめてほしいのだけど」
すずさん「おしゃべりストップっつったろ。とはいえ、この濃度の瘴気に突っ込むのはいくら何でも無理だね・・・狙うなら再生した瞬間かな。この再生力、コアを完全に破壊しないと止まりそうにないね」
ヒューナルの吐き出した瘴気が頭部に集中し、再生が始まる。ひしゃげた頭部が立ち上がり、深手を負った拳もより分厚い外殻で覆われる。
テルー「行きますっ!」
グリンダ「私もそろそろ」
再生が進み瘴気が晴れ始めると、テルーとグリンダがほぼ同時にグレンテッセンで接近する。倒すなら視界が再生する前が最適、という判断だ。
アルアスも少し遅れたがアサルトライフルにウィークバレットを装填し、2人を援護する。
狙いはすずの言った通りコアだ。いくら再生力が強かろうと、全ての源であるコアを破壊されればダーカーは死ぬ。
未だ棒立ちのヒューナルの胸にウィークバレットの赤いマーカーが輝き、3つの閃きが交錯する。
ベキィッ ガィン!!
衝突音とともに、弾き飛ばされたグリンダとテルーが元の位置まで転がされる。3つ目の閃きの正体は、ヒューナルの拳。もはや拳と呼ぶのが憚られるほどに肥大したそれは
テルー「・・・嘘」
テルーの愛刀・オフスティアガランを、中ほどからぽっきりとへし折っていた。
ヒューナル「先ほどは見事な連携であった。本気で闘わなかったことは謝ろう」
アルアス「謝罪はいらないから早く帰ってくれ・・・」
すず「テルーさん、すぐ代わりの人員を送るよ、あとちょっと頑張って!!」
すずは驚愕しつつもすぐに拠点内の動ける人間を探す。そして、何故か拠点外にいる馬鹿を発見する。
すず「もういいや・・・こいつに頼もう。好きなだけ撮っていいから死なない程度に頑張ってくれる?」
??「いやー丁度向かおうと思ってたんですよ。グリンダさん達の頑張り、しかと納めさせていただきます」
全てを載せた箱舟は、ついに軋みを上げ始める
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あ と が き
イデさん撤退しろって言われなかったっけ?罰としてお見舞いシーンはカットだ馬鹿野郎!!←
もはや呼吸をするように自然と次回に続きましたねー、濃度薄すぎぃ。
今回は初めて、前回までのあらすじとかを入れてみました。何か改善点があればストーリーの展開でも言葉選びでもあとがきや前書きでもアドバイスください!!
とりあえずヒューナルさんはここに出現するまでに、若人の眷属を大量に倒して瘴気を溜め込んだものとします。本文で書きたかったけど過去記事改変するの面倒くさかった(無精者並感)
次回は第3基地でAISが追加投入されますよ、一応第2基地でグリ師匠がヒューナルにボコられる様子も書きたいですけどね(ネタバレ)
ではではここまで読んでいただきありがとうございました。また次回ノシ