「グリ師匠ー♪もうすぐ2月14日ですよ!」

 
普段見せる勝ち気な態度はどこへやら、テルーがるんるんで通信をかける。
 
「ああ、そうですか・・・」
 
対するグリンダの態度はつれないもの。まあいつも通りではある。
 
「バレンタインのチョコなら必要ありませんよ。甘いものは嫌いではないですが、あなたはチョコに何を混ぜるか分かったものではありませんからね」
「あんまりじゃないですかっ!?」
 
そしていつも以上に警戒されていた。
 
「語尾に『にゃん』ってつくようになる薬とか、体つきが女の子っぽくなる薬とか、あなたなら混ぜてくるでしょう?」
「そっそんな薬なかったです!」
「なかった・・・ってことは探したんですね?」
「・・・」
 
語るに落ちるとはこのことだろう。グリンダは首を振って
 
「チョコは必要ありません」
 
改めてそう宣告した。
 
「う~・・・」
 
電話口でも分かるほどしょぼくれるテルー。どう考えても異物を混ぜようとしたのが悪いのだが本人は気づいていない。恋は盲目。
 
「じゃあ、」
「嫌です」
「こうしまだなにも言ってないのに!この鬼!悪魔!!蛮族!グリンダ!」
「言い過ぎでは!?」
「何としてでもチョコを渡してやるんですから・・・!舌を洗って待ってろください!」
 
ガチャン!! ツー ツー ツー
 
不穏過ぎる捨て台詞と共に通信が切られた。
 
これはマズい。―――いや、渡されるチョコの味ではなく。
こうなればテルーのこと、チョコを渡す手段は選ばないだろう。その過程で何が起こるか分かったものではないという話(チョコの味が良いとは言ってない)だ。
 
「・・・抵抗しない方がよかったかもしれませんねえ」
 
人間の心は難しいです、とため息交じりに呟いて。
 
「もしもし、シエラさん?」
「はーい!バレンタインチョコの催促なら問題ありません!チョコの他にも準備万端、いつでもお渡しできるあなた専属オペレーター、シエラですよ!」
「・・・」
「・・・えーと」
「私の馬鹿弟子の監視をお願いします。それでは」
「まっ待ってください!久々の通信で嬉しかったんです!挨拶のことは謝りますから、せめて何か反応を~!」
 
プツッ
 
せめて馬鹿弟子のチョコがまともになるように最後の抵抗を試みるのだった。
 
 
 
 
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あ と が き
(続きは)ないです
バレンタイン終わっちゃったからね、仕方ないね。本当は学び舎に照るに出てきたキャラとかで同窓会みたいなことしたかったんですけどチョコが出来上がらなかったのです()
 
 
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