チャンスの神様には後ろ髪はない。…だったか?
とにかく、チャンスの神様がやって来たらその瞬間に捕まえなければ、通り過ぎてしまってからでは捕まえられないという意味のやつ。
実際に前髪しかない神様が目の前から猛ダッシュでやって来たらびっくりしちゃうけれど(笑)
今日は、目的地への到着予定時刻ギリギリじゃー!と、タクシーで銀座を走っていた。
一方通行のトラップだらけの銀座、そして土日は中央通りの歩行者天国、今日はどうしても目的地のビルの真ん前に車をつけてもらいたい理由があり、運転手さんとどのような順路で行くか作戦を練りながら。
最初はAコースで行こうとしたが、いや、やはりBコースで行った方がビルの真ん前に付けられるから、Bコースにしましょう!と、運転手さんとのコース選びもヒートアップしながら。
Bコースで、問題なく目的地まで付き「あ!あった、あった!ここだ!このビル!」なんて言いながら、並木通りの歩道を見ると…。
そこに、いらっしゃったのです…
私にとってのチャンスの神様が!!!!
前髪しかないチャンスの神様は、のんびりと恋人様とデートをなさっておられました。
私は慌てて料金を精算し、「ちょっと、荷物見てて!!」と、トランクから出された大荷物もベビーカーもほっぽらかし、まめを抱いてチャンスの神様の前髪を掴みにかかりました。
「あの…。突然申し訳ございません、先生…。」
きょとんとされるチャンスの神様と恋人様。
「あの、こんなところでこんなことをお尋ねして申し訳ないのですが、娘が今母斑治療をしておりまして…。」
「ああ、本当だ。お顔にあるね。太田母斑かな?」
「いえ、色素性母斑です。」
「あー、そうか。そうだね。有毛性の母斑だね。」
「今は切除手術を受けさせていて、かなり小さくなりました。今後は皮膚移植とエキスパンダーを使っての治療で母斑を消していく計画なんです。先生のクリニックでも皮膚移植はなさっていますか?」
「皮膚移植なんかは、形成外科なんだよね。僕も昭和大学の形成外科で診てはいますよ。そうですね、エキスパンダーを使っていけばキレイに消えますね。大丈夫ですね。」
「先生に診察していただくには昭和大学に行けば診ていただくことが出来ますか?」
「僕は客員教授だからね、その治療ならまた違う教授に診てもらった方がいいです。ご紹介します。でも、今治療なさっているんでしょ?」
「はい。○○病院で信頼している先生に治療していただいているのですが、その先生が来年には退職なさってしまうので…。」
「でも、大丈夫ですよ。その病院なら、ちゃんと次の先生にしっかり引き継ぎされるから。」
チャンスの神様は、休日のデート中にも関わらず、突然駆け寄ってきたどこの誰かも解らない私の質問攻めにも親切丁寧に答えてくださり、昭和大学の教授まで教えてくださった。
そして、別れ際にまめをあやしてくださり、恋人様もまめに「バイバーイ」と言いながら手を繋いでくださり、あぁお話出来て良かったと思った。
実は、まめを産んだ直後からこの先生のことが気になっていた。
その理由は、その先生の手術を受けた人の話を聞いたから。
事故で顔の原型が残らないほどの怪我をしたその人は、病院で顔は復元したものの、移植した皮膚のひきつれ感や、目の形の違和感、傷痕など、その後も色んなケアが必要で、知人の紹介でその先生の手術を受けられた。
その先生に手術をしてもらった後、やはりまた暫くは違和感が残ったままだったらしいが月日が経つにつれ、物凄く良い状態になっていったらしい。
芸能界にも精通なさっているその先生に、まめの傷跡や皮膚移植後の経過を診てもらいたいなぁと思いながら、今はまだ切除手術を繰り返している段階だし、エキスパンダーも皮膚移植も終えて、その後の違和感があれば診てもらえばいいかな…と思いつつ、1度話だけでも聞きに行くべきかとたまにふと考えていたりしたのだ。
私は妊娠前によく銀座でデート中のチャンスの神様をお見掛けしていて、「また何処かでバッタリお会い出来ないかなぁ…」とも思っていた。
もし今日、BコースではなくAコースでタクシーからおりていたら絶対にお会い出来なかったチャンスの神様。
数分でも早く目的地に到着し、ビルに入ってしまっていたら絶対にお会い出来なかったチャンスの神様。
チャンスの神様に会わせてくださった神様、有難うございます。
前髪、しっかり捕まえましたよ。
ただ、チャンスの神様の前髪を掴みにかかった時の私の顔といったら…

これなんですけどね。
こんな顔した怪しい人間の、突然の質問攻めにもそれはそれは優しく丁寧にお答えいただき、近年テレビ番組で拝見する印象とは全く違っていました。
「無礼者!」と怒鳴られる覚悟で声を掛けさせていただいたので…。
高須先生、本当に有難うございました。
西原先生、私実は先生の大ファンです。
その日の西原先生のブログによると、お二人は西原先生のお誕生日プレゼントをお探し中だったもようです。
西原先生は、でっかい宝石もドレスもいらないと、築地で大好物のカニを買ってもらわれていました。
お二人とも、とっても親切で感動。