今は夏休みだから、午前中に小学生の子供達も公園で遊んでいる。
「…お顔どうしたの?」
ひとりの女の子が私に聞いてきた。
「アザだよ。アザって解る?」
「うん。なんで黒くなっちゃったの?」
「生まれた時から黒いの。今ね手術して黒いところをとってるんだよ。」
「そうなんだ。痛い?」
「痛くないよ。でも、これからは痛いこともやっていかなくちゃいけないんだ。」
「ふーん…。」
同い年くらいの女の子達が皆で遊んでいるところに、仲間に入れて欲しくて寄っていくまめ。
私はこの瞬間がドキドキする。
誰も、まめが傷付くようなリアクションをしないでね、お願いだから。
祈るような気持ちで見守ることしか出来ないんだけど。
さっきの女の子が、他の子達に言っているのが聞こえる。
「あのね、あの子はまめちゃんって言ってね、まだ1歳なんだけどね、お顔の黒いところを取る手術を何回もしてるんだって。
頑張ってるんだって。」
「え!どの子?どの子?」
まめの周りに人だかり…。
「どうして黒いんですか?」
「痛いの?」
「治る?」
私に質問攻め(笑)
まめはそんなことより滑り台を滑りたいから、ひとりでロープをのぼって行ってしまう。
「うん、これはアザなの、痛くないよ、手術したら黒いのがなくなるんだよ、まめ、それはまだひとりで滑っちゃダメ!危ないから待って!」
てんやわんや(笑)
でもね、お姉ちゃんたち皆優しかった。
「早く治るといいですね!」
「まめちゃん!頑張ってね!」
こんな優しい子供達、いっぱいいるんだよ。
こうやって子供達に励まされたり。
かと思えば…。
じゃぶじゃぶ池で遊んでいるお姉ちゃん達にニコニコしながらついて行くまめ。
「一緒に遊びたいの?」と女の子に聞かれ、「はーい!」と手を上げて笑顔で答えるまめ。
「はーいだって。…でも、この子のお顔、オオカミみたい!オオカミだ!逃げろ!!!」
笑顔のまめの前から走って逃げていく女の子達。
私はちょっと距離を置いて様子をみていたんだけど、凄く寂しそうに肩を落としているまめの後ろ姿をみて「助けなきゃ!」と思って走り寄った。
あぁ、もうまめは自分が言われている事が解っているんだ。
「まめ?どうした?お姉ちゃんたち遊んでくれた?」
まめはずっと下を向いている。
「まーめ?お姉ちゃんたちと遊びたいんでしょ?ほら、お姉ちゃんたちのところに行っておいで!」
負けるな!
負けるな!
その間も「オオカミだ!オオカミだ!」と言っている女の子達。
すぐ横で、女の子達の母親同士は世間話に花を裂かせている。
「本当に最近の子供の事件怖いよねー」って、呑気に話している。
なんで、自分の子供が被害者になる可能性しか考えないんだろう。
あなた達の子供が、今まさに目の前で、うちの子を傷付けているんですけど。
加害者になるかもしれないって、思いもしないんだね。
オオカミだ!オオカミだ!と言ってる子供に気付いたひとりの母親が「えー?何?オオカミって」と言うので、私は聞こえるように「まめ、お姉ちゃんたちにオオカミって言われちゃったの?だから元気がなくなっちゃったんだ。悲しいね。どうする?帰る?」とその母親の前で言いました。
その距離、1メートルない。
しっかり解ってほしい。
あなたのお子さんも、加害者になりうることがあるって。
まめは帰ろうとするので、「オッケ!じゃあ帰ってご飯食べよっか!」とその場を去ったけど、彼女達の母親が気付かないならそれでいい。
まめは、人の心の痛みが解る優しい子になってくれればいいよ。
辛さを知ってる子は、優しくて強くなれるんだよ、まめ。
そのかわり、まめがお友達を傷付けるようなことをしたらママは怒るからね!
まめはこんなに自分が言われていることを理解出来るようになったのか…と、思い知らされた。
やっぱり、我が子が目の前で傷付いて悲しんでいるのを見るのは辛い。
本当に辛いね。
思い出しただけで涙が止まらないけど、でも、いつもこんなに辛いことばかりじゃない。
普通に接してくれる子達の方が多いよ。
私も普段は「ちょっと、うちの子に何か言った?!」くらいの勢いなんだけど…まめのお姉ちゃんたちと遊びたい一心の笑顔と、その後の寂しい顔見ちゃったからなぁ…。
今日は私が弱くなっちゃったなぁ。
お助けママ、まだまだ弱いです。
明日は、まめがいっぱいいっぱい笑顔になりますように。
私も、もう泣くのやーめた!
Android携帯からの投稿