昨日、港区のJ医科大学病院の皮膚科へ初診で行った。
一昨日のS国際病院で診ていただいている先生はJ医科大学病院の形成外科ご出身で今でも月に1度J医科大学病院の方で手術をなさっているそうなので、紹介状を書いていただく際に「手術方法はあまり変わらないと思うので、違う手術方法を知りたいなら他に行かれた方が色々聞かれると思いますよ。」と言われていた。
私がなぜJ医科大学病院に行ってみようと思ったかというと、私の従姉妹のご主人の親友が亀有のT皮膚科医院の先生で、そこを紹介してもらった時に、母斑研究をずっとされているのはT病院の皮膚科(今は都立K病院にもおられる)大原先生(過去のブログをご覧ください。)だという情報と、J医科大学病院のような大学病院は、手術をひとつするにしてもその患者さんのその病気に一番最適な手術方法は何かを、その治療に関係する科の先生が何人もディスカッションするので沢山の可能性や沢山の選択肢の中から手術方法を選ぶことが出来ると教えてもらったから。
J医科大学病院に行くなら、皮膚科の中川教授に診てもらってと言われて、紹介状を書いてもらった。
今回、正直ここ数日間の疲れもあり、前日S国際病院で手術方法は決まったし、そこと手術方法はあまり変わらないと言われたし、皮膚科の診察はT病院で中川先生に丁寧に診ていただき説明していただいたから、J医科大学病院には行かなくてもいいかな…と思っていた。
それを決めるのは私の自由だしなー…と思っていたが、いや!やっぱり出来ることは全部やろう!
これは私の為じゃない、まめの為なんだから!と思って行った。
昨日は意外な程空いていて、行くとすぐ診てもらえた。
中川先生の他にもう1人助手のような先生と、記録される先生、研究生(医大生?)3人。
やはり、まめの母斑はレーザーでは対応することは無理のようだ。
となると、やっぱり皮膚移植しかないのか…。
中川先生はとってもいい先生で、対応も穏やかで丁寧で、ズバズバ質問する私にも嫌な顔ひとつせず、上から的な態度は微塵もなく、私の立場をすごく解って説明してくださった。
助手先生は女性で、また女性の立場からの助言をくださった。
そして、「今日は形成外科の教授も出られている日だから、予約入れておくのでこのあと形成外科でもお話を聞かれるのが一番早い」と言ってくださり、そのまま形成外科へ。
ここではけっこう待ったが、大学病院はそういう場所だと思っているので案外平気。
待ち時間が長いということは、それだけ丁寧に診てもらえる気がしてくる。
呼ばれて中へ入ると、一回一回患者さんを待合室まで呼びに出て来られていた先生が、教授の内田先生だった。
患者に対するその対応って、患者に伝わるもの。私は先生の姿勢の真摯さを凄く感じた。
だから、私は今までのまめが診察してもらった病院と診察内容、診ていただいた先生方から言われたことを伝え、その後はっきり言った。
「どこまで綺麗になりますか?私は妥協したくありません。」
先生は、「勿論です。よーく解ります。」
と言われて、とある男性の写真を(目は隠してある)3枚見せてくださった。
1枚目、術前。
その男性は、元々おでこと頭皮にかけて母斑があったようだが、子どもの時に皮膚移植をされており母斑は頭皮にしか残っていないがやはり移植部分の肌はひきつり感がある。またそけい部分からの皮膚移植だったようで移植したおでこからも成長と共に陰毛が生えて来ていた。
先生が「先ほど、エキスパンダーを使った術前と言われましたが、エキスパンダーってどういうものかイメージありますか?」
と聞かれたので、「風船のようなもの」と答えると「そうです。では、その施術後の写真を見たことはありますか?」と聞かれる。「ありません。」と言ったら見せてくださった2枚目。
私と母は一瞬息を飲む。
先ほどの男性が、皮膚移植した異質感がある皮膚と頭皮の残っていた母斑部分を消す為にその近辺の皮膚を伸ばして延長線で貼りつける皮膚を取るのに、普通の皮膚であるおでこの左側、右側の頬、母斑のない頭皮部分にパンパンの風船が入れられ膨らんでいた。
大きさは、よく縁日にある水風船くらい。
それだけの大きな風船の外側に、皮膚、頭皮が伸ばしてある。
しかも3ヶ所。
本人が気にしなければ問題ないんだろうが…他人の目に触れるのは絶対的嫌だと思うのが普通の感覚だろうと思う。
この男性はその状態で1ヶ月過ごされたそう。
そして、3枚目。
術後。
おでこの右側のすみに、縫い目の部分だけが残っているだけ。
皮膚の異質感はない。
「もう一例お見せしますが、これは今のまめちゃんよりも小さい赤ちゃんの術例です。」
見せてくださった写真には左側のこめかみから眉毛、瞼に母斑のある生後数ヶ月の赤ちゃんが写っている。
「まめちゃんがもっと小さい時に手術していたら有効だったんですが…。これはマニュアルにある手術ではないので…。」
え。
どういうこと?
「無駄な手術はする必要はありません。」
と言って説明してくれた。
「赤ちゃんの皮膚は小さい時ならなおよく伸びます。生後1ヶ月から数ヶ月に1度のペースで少しずつ母斑の中の方から縫合して縮めることによって母斑の範囲を格段に小さくすることが出来る方法です。その後の除去手術を皮膚移植でしようが、レーザーでしようが、エキスパンダーで伸ばしてしようが、母斑自体がかなり小さくすることが出来るのでかなり有効で、デメリットは全くない手術です。」
私は、愕然としてしまった。
「全身麻酔ですか?全身麻酔が出来るのは1歳以上、10kg以上の赤ちゃんだと聞いています。」
生後1ヶ月からって…。どういうこと?
「赤ちゃんの術例が少ない病院はそう言われると思います。生まれてすぐ手術が必要な赤ちゃんを相当な人数診て手術してきているので、麻酔が問題ないことは実証されています。」
それはそうだ。
病院の長い歴史の中で、生後緊急手術が必要な赤ちゃんを沢山診て来られたはずだ。
赤ちゃんの写真2枚の術前と術後を比べると、1度の手術で相当母斑の範囲が小さくなっている。
「先生、生後8ヶ月のこの子がこの手術を今から受けて効果はありますか?」
先生はまめの母斑の皮膚を丁寧に触り「おでこの母斑はそこまで小さくはならないでしょうが、頬の部分は皮膚が伸びるので小さく出来るでしょう。」
先生のお話で、手術のメリットを凄く感じた私。
「先生、私は生後1ヶ月でこの子にこの手術をしてやれなかったことを悔やんでいます。今からでもしてやれるならしたいです。少しでも小さくしてください。」
…ということで、まめの手術が決まりそうです。
行って良かった。
これも巡り合わせなんだろうか。
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