らくやんシート | あさかぜ1号 博多行

300円ポッキリで座れるなら「らくやん」!

阪神電鉄が、新しい急行用車両3000系の2027年春デビューとそれに伴う座席指定サービスの開始を発表したのが昨年(2025年)の3月。
それから1年4か月たった昨日(7月17日)、座席指定サービスの名称と概要が阪神電鉄と山陽電鉄から発表されました。
サービスの名称は「らくやんシート」。「らくやん」という言葉にはかつて阪神が発売していたスルッとKANSAI対応プリペイドカード「らくやんカード」を思い出させるものがありますが、阪神電車では2022年の12月から翌年1月にかけて期間限定で「らくやんライナー」の名で有料定員制列車の運転を試行したことがあり、その実績を踏まえての本格的な座席指定サービスの開始ということになります。
「らくやんシート」サービスが提供されるのは、(阪神)大阪梅田ー山陽姫路間を走る直通特急・特急のうち来年春にデビューする3000系を使用する列車で、3000系の6両編成の大阪方から3両目に連結されるロングシートとクロスシートを切り替えられる「L/Cシート」を備えた車両でサービスが行われます。「らくやんシート」提供時は、この「L/Cシート」をクロスシートモードに転換して運用します。
この車両には、扉間には「L/Cシート」、車端部にはヘッドレストつきのハイバック式ロングシートをそれぞれ設置されます。各座席にコンセントを備えるほか、L/Cシートはリクライニングが可能。ドリンクホルダーも一部を除き利用できます。ロングシートはリクライニング機能やドリンクホルダーは利用できないものの、その代わり座席幅は同社車両最大幅の500㎜(L/Cシートは470㎜)が確保されています。
「らくやんシート」は運賃の他に300円の座席指定券を購入することで利用可能。ネットニュースの記事を読む限りこの金額は区間を問わず均一のようで、もともと他社の座席指定車両と比べ割安な料金の上に乗車区間に関わらず300円均一の料金ということになれば、長距離を乗るほどお得ということになります。
座席指定車両の設備やリーズナブルな利用料金からは、この「らくやんシート」サービスが京阪の「プレミアムカー」や阪急京都線の「PRiVACE」のようなプレミアム感を売りにしたサービスというよりは、あくまでも「300円余計に払うだけで必ず座れるなら楽やん!」という気持ちになってもらうことを目指したサービスということになるのだと思われ、このあたりはサービスの名称とあわせ庶民的であまり気取らないイメージのある阪神らしさが表れているといえるでしょう。
今後3000系がどの程度の本数増備されるかわかりませんが、サービスの定着のためにも早期に直通特急だけでも阪神車両は3000系だけで運用できるようにしたり、山陽電鉄でも「らくやんシート」設置車両を組み込んだ新車を投入するなどしていつでも気軽に乗れるような体制を整えることが必要だと思われますし、今回はサービスの対象から外れた阪神と近鉄の相互直通列車(快速急行)にも将来的に「らくやんシート」サービスが導入されることになるのかどうかということも注目したいところです。