青梅鉄道公園 | あさかぜ1号 博多行

残ってたんですね~

JR東日本八王子支社と青梅市は一昨日(12日)、リニューアルのため一時閉演していた青梅鉄道公園のリニューアルオープンの概要を発表しました。
青梅鉄道公園は、日本の鉄道開業90周年を記念して1962年に青梅市の永山公園内に開館した施設で、SLや旧型の客車を中心に旧型電機や電車も保存車両に加わっていました。現在大宮の鉄道博物館で保存されている車両の中にも同館の開館前は青梅鉄道公園で保存されていた車両が何両か含まれています。
その青梅鉄道公園は施設の老朽化を理由に2023年8月から一時閉演しリニューアル工事を進めていましたが、今回来年(2026年)3月21日にリニューアルオープンすることとなりました。
今回のリニューアルのコンセプトは「中央線・青梅線をはじめ鉄道の歴史を伝える学びの場」で、これに沿って設備や展示物が刷新されます。具体的にはエントランス付近の記念館は「周辺環境との融和」「親しみやすさ」をイメージしてデザインされた建物に建て替えられるほか、園内には斜面を活用した大型すべり台や「JR東日本トレインシミュレータ」体験コーナー(有料)も新たに設けられるということです。
そして鉄道ファン的に一番気になるのが展示車両のこと。
一時閉演前は明治時代製の小型SLから新幹線0系の先頭車まで10両が保存展示されていて、これらはリニューアル後も引き続き展示されますが、リニューアルにあたり新たに3両が追加されて保存車両は13両のラインナップになります。
このたび青梅鉄道公園の保存車に加わるのは201系電車と115系電車、それにED60形電気機関車で、いずれも「中央線・青梅線をはじめ~」というリニューアルのコンセプトからして納得の顔ぶれといったところです。
201系の保存者はクハ201-1で、中央快速線からの201系引退後も長らく豊田車両センター内で保管されていました。イベントなどで展示されて人気を集めていましたが、やっとのことでいつでも見学可能な安住の地に落ち着くことになり一安心といったところです。展示にあたっては車体外板の修繕が行われたほか、公園での仕上げとして前面に中央線201系の特徴ともいえる種別表示機の設置も行われるということです。個人的には種別表示機や前頭部のスカートのない国鉄時代の姿に復元して展示されるのかと思っていましたが、多くの世代になじみ深い姿ということで晩年気の姿での展示ということになったのでしょうか。
115系はどのような車両が展示されるのかは不明ですが、JR東日本からは115系の現役車両が消滅してしばらく時間が経過しているので、おそらく長野総合車両センターで廃車後も保管されていた車両か、しなの鉄道で廃車された車両を買い戻して保存するものと思われます。いずれにしても、国鉄型近郊型電車の保存例が決して多くない中で中央東線に欠かせない存在だった「山スカ」が保存される意義は大きいといえるのではないでしょうか。
そして、個人的に「おっ、そう来たか!」と思ったのがED60形電機。
ED60は1958年に登場した直流電気機関車で、製造量数が8両と少なく大幹線での運用実績もほとんどない地味な形式ですが、いわゆる新性能直流電気機関車で最初に登場した形式という歴史的価値のある形式です。
ED60は中央東線で運用された期間はあまり長くはなく、一部仕様が異なるだけでほぼ同型のED61形の方が中央東線での運用歴は長いようですが、同形式は改造後形式のED62も含めて現存する車両がない(?)ことから、新製から廃車まで一貫して中央東線とつながる大糸線で運用されたED60 1号機に白羽の矢が立ったのでしょう。
ED60 1号機は1985年に廃車後、長野総合車両センターで保管されていたことはかつて鉄道雑誌で知ったことがありましたが、同機がその後も時折整備を受けながら保管され続けていたとは全く知らず、今回青梅鉄道公園の保存車両の仲間入りのニュースを知って「まだ残っていたのか~」と驚きました。
いずれにしても、これまでの青梅鉄道公園の保存車両は新幹線0系を除けばどちらかといえば年齢層の高い鉄道ファン好みの形式が多く、若いファンや家族連れなどにはややなじみの薄い車両が多いきらいがありましたが、今回201系や115系といったその活躍の記憶がまだ鮮明な車両が仲間入りすることで親しみやすさが増すような気がします。鉄道博物館とは異なり屋外での展示なので、気候のよい時期には展示車両をゆっくり眺めながら過ごす楽しみもアピールできると思います。(年々その時期が短くなっている印象があるのは残念だけど)
実は私、リニューアル前の青梅鉄道公園は一度も訪れたことがありません。住んでいる埼玉県某市から青梅は決して遠い場所というわけではないのでいつかは行こうとは思っていたものの、なかなかその機会をつくれずにいました。
リニューアルオープンまであと3カ月ということで、オープン直後の混雑が落ち着いた頃にでもぜひ一度訪れたいと思っています。